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運動不足がもたらす影響と健康を維持する最良の運動方法について

 2016/08/25 食事・運動
この記事は約 6 分で読めます。 14,321 Views

健康のために歩きましょう。病気を治すために歩きましょう。若若しくあるために歩きましょう。現代人は本当に歩かなくなってしまいましたが、そのための病気や体の不調は少なく ありません。

運動が体に良いというのは誰もが理解していることで、これに反論する方は少ないと思います。

しかし、運動がどのように体に良い影響を与えているのかを具体的に知っている方は少ないのではないでしょうか?

ここでは、運動不足がもたらす負の影響と、適度な運動がもたらす効果についてみていきましょう。

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運動不足がもたらす影響

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運動不足は、精神的にも調子をくずす原因になることがあります。歩くことによって、健康を保ち、病気を治し、若さをとりもどしましょう。

歩かないと、まず足腰の筋肉が弱ります。筋肉が弱ると腰痛や関節痛が起こりやすくなります。なぜなら腰も膝の関節も筋肉でもっているからです。

骨は心棒の役目をしていますが、骨が支えているのではありません。筋肉が支えているのです。

腰の筋肉が弱って支えきれなくなると、腰の骨(椎骨といいます)と骨の間の軟骨が圧迫されて、椎間板ヘルニアの原因になります。

また、椎骨と椎骨の関節を痛めることも起こってきます。筋肉そのものを痛めることにもなります。

膝の関節は、太股の心棒の骨とすねの心棒の骨の間に軟骨があって、少し水が入っています。そして太股の骨とすねの骨がぶつからないように、軟骨をつぶさないように、筋肉が支えています。

その筋肉が弱くなると、骨と骨がぶつかったり、軟骨をつぶしたりしてしまいます。それは痛みの原因になり炎症がおこります。炎症がおこって水が増えて膝がはれる原因にもなります。

腰痛も膝の関節痛も筋肉の衰えが原因

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要するに腰痛も膝の関節痛も、多くは骨の変形が原因なのではなく、筋肉が弱ったことが原因なのです。

筋肉は弱ると、硬くなって縮みます。硬くなって縮んだ筋肉は、力も弱くな りますが、少しむりがかかると、切れたり裂けたりすることになります。

硬くなったゴムが、 引っ張ると伸びずに切れてしまうのを想像してみて下さい。筋肉が切れたり裂けたりすれば、それも痛みの原因になります。

歩くことによって、腰や膝の筋肉を強くすれば、腰痛も膝の関節痛も起こりにくくなります。

運動をすることで鍛えらる心臓

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心臓も血管も負担をかけてやらないと弱くなります。負担をかけるといっても、年をとってからかけ過ぎては危険です。心臓が止まってしまうほど負担をかけては、もともこもありません。

走る必要はまったくありません。少し早く歩く、少し汗ばむていどに歩く、少し脈が速くなるていどに歩く、少し息切れするていどに歩く、登りの坂道や階段であれば、ゆっくり歩く、これで十分です。

歩いて脈が速くなると、心臓が送り出す血液の量が増えます。心臓はポンプとしての働きを高めますが、これは心臓の筋肉を強くします。

心臓の筋肉に酸素と栄養を送る動脈(冠動脈)も広げられ流れる血液の量が増えます。心臓の筋肉を養う動脈も鍛えられるのです。

適度な運動がもたらす様々な効果

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心臓が送り出す血液が増えた分だけ、手足を流れる血液の量が増えます。増えた血液の量は、 手足の動脈や毛細血管を広げます。

細い動脈と動脈の間を結ぶバイパスも開かれます。こうして全身の血液の流れが良くなり、全身の血管が鍛えられます。

息切れを感じるていどに歩けば、肺も鍛えられ肺の働きは良くなります。体内へ酸素を取り入れ炭酸ガスを吐き出す働きが高まると、全身の臓器や細胞が元気になり若若しくなります。

激しい運動は胃腸の働きを障害しますが、歩くなどの適度な運動は胃腸の働きを良くします。歩くというゆっくりとしたリズムが胃腸の働きを良くし、食物の消化を 良くします。

また股関節をリズミカルに動かすことが、大腸や肛門の刺激になって便通が良くなります。

便秘は、食事の内容やストレス、習慣なども関係がありますが、歩くことによって便秘が良くなる人は少なくありません。

運動によって良くなる新陳代謝

私たちは毎日三度食物を食べて、新しい栄養を取り込んでいます。新しい栄養は、一部は体を働かすエネルギーになり、一部は体の臓器や細胞の材料になります。

体の臓器や細胞を作 っている古くなった材料(古くなった栄養)にかわって、新しい栄養が新しい材料になります。新しい栄養でできた臓器や細胞は若さをとりもどします。

体のこの働きを新陳代謝といいますが、歩くなど適度な運動をすることによって、この新陳代謝が良くなり、いつまでも若若しく元気でいることができます。

なぜ痩せるためには運動が必要なのか?

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やせるためには、食べるカロリーを減らすことの方が重要です。運動だけでやせるのは無理ですが、カロリーを減らしながら運動することが大切です。

運動せずにカロリーだけ減らしてやせると、脂肪だけでなく筋肉も減ってしまいます。運動しながらやせれば、筋肉を増やしながら脂肪を滅らすことができます。

新陳代謝が良くなれば、全身の調節をしている自律神経やホルモンの微妙な働きも良くなります。

自律神経やホルモンの働きが良くなれば、全身が調和のとれた良好な状態になります。全身の調和がとれている良好な状態は、活力が充実した爽快な気分を私たちに与えてくれます。

まとめ

このように運動は私たちの体にさまざまな影響を与えます。

激しすぎる運動は、かえって私たちの体に負担をかけますが、適度な運動を行うことによって、筋肉や内臓を活性化させ、新陳代謝を促し、若々しさを維持できるというものです。

もっとも手軽でお勧めの運動方法は、歩くことです。

少し早く歩く、少し汗ばむていどに歩く、少し脈が速くなるていどに歩く、少し息切れするていどに歩く、登りの坂道や階段であれば、ゆっくり歩く、これで十分なのです。

いつでもどこでも意識すれば出来ることですので、ぜひ健康維持に取り入れることをお勧めします。

 

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ライター紹介 ライター一覧

荒木 裕

荒木 裕

崇高クリニック院長。
1962年 京都大学医学部卒
1967年 京都大学医学部大学院卒
1968年 大阪北野病院勤務
1971年 アメリカハーバード大学付属 小児病院脳神経外科研修医
1973年 アメリカハーバード大学医学部 臨床栄養学部助教授
1976年 アメリカ国立公衆衛生研究所(NIH)客員研究員
1977年 アメリカサウスカロライナ大学 医学部勤務
1983年 崇高クリニック開設

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