感染も癌の原因になりうる…気を付けたいウイルス・細菌にはどんなものがある?
国民病とも呼ばれる癌は、体のさまざまな部位で発症する上にそれぞれで発症原因が若干異なるという特性があります。
喫煙や飲酒などが原因で発症するケースも多数見られるため、「癌は生活習慣や食習慣の積み重ねから発症することが多い」というイメージを持たれがちです。
しかし、それ以外にも癌の原因はあるという認識しておくことが大切です。
ここでは癌の原因として挙げられる事由を挙げ、それぞれについて解説します。
また、その中から細菌・ウイルス感染を原因とする癌の特徴についてもご説明します。
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Contents
癌はウイルスや細菌が原因となって発症することもある
癌の原因について理解を深めることは癌予防の観点から見ても大きな意義を持ちます。
ここでは癌の原因となることが判明している4つの事由について、それぞれ解説していきます。
・遺伝
癌の原因として特に多いことが指摘されているのが「遺伝」です。
たとえば両親や祖父母などの近親者の間で胃癌の発症歴がある人がいると、その家族もまた胃癌の発症率が高くなることが分かっています。
ただし遺伝はあくまでも癌の発症率を高める要因のひとつであり、そこに他の要因が加わることでさらに癌が発症しやすくなります。
例えば上述したような近親者に胃癌の発症者が多くいる人が胃癌の発症率を高めるピロリ菌に感染したことにより胃癌になってしまうというケースです。
以上のことから、近親者に癌の発症者が多い人は癌を発症する遺伝的な要因を持っているものの、それだけで発症することは多くありません。
しかし、環境的な要因が加わることで癌を発症する可能性が大きく高まるのです。
・感染
「遺伝」の項目でも触れたように、たとえば胃癌の場合ピロリ菌に感染することが発症の要因となることがあります。
このような細菌やウイルスに感染することが癌を発症するきっかけとなるケースは胃癌以外の癌でも見られます。
癌予防において感染症は特に注意すべきであるといえます。
ピロリ菌以外に癌を発症する要因になる細菌やウイルスとしては「HBV」「HCV」「HPV」「ヒトヘルペスウイルス8型」などが挙げられます。
なお、それぞれで発症する危険性のある癌の種類も異なります。
詳細に関しては後述する「どんな細菌・ウイルスが危険なの?」の各項目で詳しくご説明いたします。
・生活習慣、環境
生活習慣や食習慣から健康面で問題が生じ、癌の発症を引きおこすことが確認されています。
たとえば、たばこには発がん性物質が含まれており過度な喫煙を長期間にわたって続けると肺癌の発症率は極めて高くなります。
また、運動不足による肥満やホルモンバランスの変化が癌を発症させることも分かっています。
このように癌予防においては生活習慣を改めることも重要になるのです。
一方、その人の生活環境が癌発症の原因となることもあります。
たとえば、かつて内壁材などに使用されていたアスベストは発がん性物質を含むことが分かっています。
そのため、建築業などに従事しアスベストの多い環境で働いていた人が肺癌を発症したケースも多く見られました。
・放射線、化学物質
原発事故以降、放射線が人体に及ぼす影響については広く知られることとなりました。
そして、放射線が引き起こす疾病のひとつとして知られているのが癌です。
放射線には人体の深部にまで到達するという性質があり、血液の癌として知られる「白血病」を発症する原因となることが分かっています。
紫外線もまた放射線に似た性質を持っています。
人体の深部にまでは到達しないものの皮膚癌の原因となることが分かっています。
そのため、癌予防においては特に紫外線が多くなる夏場の日焼け対策が有効です。
他には、癌を発症させる原因としては薬剤などに含まれる化学物質も挙げられます。
その物質を含む薬剤の常用などには特に注意が必要です。
どんな細菌・ウイルスが危険なの?
癌の原因になることが分かっているものの軽視されがちなのが細菌やウイルスです。
細菌やウイルスに感染することで発症する癌の種類はそれぞれ異なります。
続いては、癌を発症させる原因となることが分かっている細菌・ウイルスの種類とそれら各々が発症させる癌の種類を見てみましょう。
・ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌):胃癌
ピロリ菌は正式には「ヘリコバクター・ピロリ」といいます。
従来の医学的見地では人の胃の内部において細菌は生息できないとされていましたが、1982年に人の胃の内部からこのピロリ菌が発見され胃癌の発症に関するメカニズムも徐々に判明していきました。
ヘリコバクター・ピロリには胃潰瘍や胃炎を引き起こす性質があることが分かっており、この性質が胃癌の発症にも関係しているといわれています。
また、ヘリコバクター・ピロリに感染するのは主に5歳ごろまでといわれており、成人してから感染するケースは極めて稀です。
このことから、特に幼児期・乳幼児期にはヘリコバクター・ピロリ保有者の親からの口を介したヘリコバクター・ピロリ感染に注意が必要です。
・HBV、HCV:肝臓癌
肝臓癌は過度な飲酒などによって引き起こされるというイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
しかしながら、ウイルス性肝炎の発症が肝臓癌の原因となるケースもあるのです。
こちらもまた典型的な細菌・ウイルス感染を原因とする癌のひとつとして挙げられます。
ウイルス性肝炎の原因となるウイルスはHBV(B型肝炎ウイルス)とHCV(C型肝炎ウイルス)の2つで、どちらも血液を介して感染するという特徴があります。
1947年から1988年の間に集団予防接種などで数人に同じ注射器を使いまわしたことがB型肝炎ウイルスの感染を拡大させていたことも分かっています。
また、HCVに関しては「非ホジキンリンパ腫」と呼ばれる悪性リンパ腫(癌の一種)を発症させる原因となることも判明しています。
・HPV:生殖器周りと口周りの癌
癌を発症させる原因となる細菌・ウイルスには「HPV(ヒトパピローマウイルス)」もあります。
このウイルスは性交渉による感染例が多いのが特徴です。
性交渉経験者の女性の50%はこのHPVに感染した経験があるとされています。
HPV感染は一過性であることが多くその約90%は後に免疫反応によって消滅するため、癌の発症に至るケースは稀です。
しかし残りの約10%は持続感染することがあり、子宮頸癌や膣癌などの生殖器周りの癌や咽頭癌などの口周りの癌を発症する可能性があります。
そのため癌予防においては無視できないウイルスなのです。
また、このウイルスは子宮頸癌や膣癌を発症させることから女性だけが注意すべきものであると考えられがちです。
しかし、男性の場合でもHPVが性器や口周りの癌を発症させるケースは確認されているため同様に注意する必要があります。
・ヒトヘルペスウイルス8型:カポジ肉腫
ヘルペスを発症させる「ヒトヘルペスウイルス」にはいくつかの種類があり、そのうち8番目に発見されたものを「ヒトヘルペスウイルス8型」と呼びます。
多くの場合ヘルペスが重症化することは稀ですが、このヒトヘルペスウイルス8型に感染すると血管のがんである「カポジ肉腫」や癌化する悪性リンパ腫などを発症することもあります。
ヒトヘルペスウイルス8型は男性同士での性交渉での感染や唾液を介した感染が確認されていますが、感染経路が不明なケースも多くなっています。
また、感染をしてもこれといった症状が表れないケースも少なくありません。
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なぜ細菌・ウイルスが癌に繋がるのか
細菌・ウイルスの感染が癌の発症につながるメカニズムを知るためには、そもそもの癌発症メカニズムに対する理解を深めることが大切です。
続いては、原因を細菌・ウイルス感染に限定しない癌全般の発症メカニズムと、細菌・ウイルス感染が癌の発症に及ぼす影響について見てみましょう。
・癌発症のメカニズム
癌が発症する際にまず始まるのは細胞の数が異常に増えることです。
このような細胞の異常増殖を促す因子としてはDNAの突然変異や損傷が挙げられます。
前者であれば遺伝による癌の発症が考えられ、後者であれば放射線や紫外線の影響が原因として考えられます。
どちらの原因であっても変異・損傷したDNAから異常な細胞が生成されます。
さらにその異常な細胞がまた別のDNA変異・損傷を起こしながら増殖します。
この積み重ねから悪性度の高い細胞が増加してついに癌細胞になってしまうのです。
・細菌・ウイルスが癌の発症に及ぼす影響とは?
上述したように癌の発症原因となる細菌・ウイルスにはさまざまなものがあり、それらのほとんどはなんらかの形でDNAや細胞に悪い影響を与えます。
たとえばヘリコバクター・ピロリには胃潰瘍を引き起こす働きがあり、これにより胃癌を発症するケースも少なくありません。
細菌・ウイルスに感染した状況下では炎症などの症状が表れます。
この状態になると体内では活性酸素などが生み出され、それがDNAを傷付けることで癌に発展していくことが分かっています。
癌になる環境要因は排除したうえで感染予防にも努めましょう
生活習慣や環境などが癌の原因になるケースが多いため、癌予防においてはこれらの原因を排除することが大前提となります。
その一方で癌の発症には細菌やウイルスへの感染が大きく関係しているケースも多く、その予防においては癌発症因子でもある以下の細菌・ウイルスへの感染を防ぐことも忘れてはいけません。
続いては、癌を発症させる細菌・ウイルスの感染予防対策をそれぞれ見てみましょう。
・ヘリコバクター・ピロリ
上述したとおり、ヘリコバクター・ピロリは主に5歳までの子どもが感染するケースがほとんどで、成人が感染するケースは極めて稀です。
ヘリコバクター・ピロリの感染経路としては保有者の口を介することが指摘されています。
このことから、ヘリコバクター・ピロリの感染を防ぐためには食べ物の口移しやキスに注意することが大切です。
特に小さな子どもに対しては離乳食を与える際やあやす際などに、親がこれらの行動を無意識のうちにしてしまうことも多いため特に注意しなければなりません。
ただし、これらの行動が危険なのはあくまでもヘリコバクター・ピロリの保有者が行う場合のみであるため、不安な場合は子どもが生まれる前に保有しているかどうかを検査で調べておくのもおすすめです。
・HBV、HCV
ウイルス性肝炎を引き起こすだけでなく、そこから肝臓癌を発症させることもあるHBVとHCVの両ウイルスは上述したように血液を介して感染します。
最近では医療機関における器具の使いまわしや不衛生な器具を使用した治療もほぼ根絶状態にあるため、かつてのような注射器の使いまわし等による感染は極めて少なくなりました。
ただし、医療機関外でも他人の血液に触れてしまう機会に遭遇する可能性があります。
たとえば、公共の場所におけるけが人の救護やスポーツにおける接触が挙げられます。
このような状況での感染にも注意が必要です。
また、HBVとHCVには血液だけでなく体液を介した感染例も確認されていることから、性交渉をはじめとして他人のカミソリや歯ブラシを使用する際などは他人の体液と接触する可能性があるためこれらのウイルス感染に注意しなければなりません。
・HPV
HPVへの感染を原因とする癌の発症はワクチンを接種することでその可能性を大幅に低減することができます。
この方法でHPVによる癌の発症を完全に予防できるわけではありませんが、予防策のひとつとしては有効です。
また、性交渉経験者の感染率が高いことからも分かるとおりHPVへの感染は同ウイルスの保有者との性交渉を介するケースが非常に多く、コンドームを使用することもまたその感染予防策として一定の効果が期待できます。
・ヒトヘルペスウイルス8型
ヘルペスになったことがある方のなかには、どのような経路でヘルペスのウイルスに感染したのか全く見当がつかないという方も多いことでしょう。
実はヘルペスの原因となるウイルスの感染経路は特定が難しく、これといった代表的な感染経路も分かっていません。
ヒトヘルペスウイルス8型に関しても同様で、感染予防効果の期待できる方法としてこれといったものがないのが現状です。
しかし、感染を早い段階で確認しすぐに適切な治療を行えば癌を発症させるほどの重症化も大方防げるため、「不安な点があればすぐに医師に相談すること」が有効な対策といえるでしょう。
まとめ
一般的に癌は遺伝や不規則な生活習慣などによって発症すると考える方も多いため、癌を防ぐための方法としての細菌・ウイルス感染の予防は軽視されてしまいがちです。
しかし、ヘリコバクター・ピロリのような多くの人が保有している細菌・ウイルスが癌を引き起こすケースも今や珍しくなくなってきています。
そのため癌予防においては、生活習慣を整えることに加えて細菌・ウイルスへの感染を防ぐことも重要なのです。
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