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医療系の学生が「糖尿病の診断基準」を覚えるために使っている語呂合わせ

生活習慣病
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「糖尿病の検査は数値が色々あって難しい」と感じている方は少なくありません。

ここでは健康診断や定期検査でおこなわれる血糖値関連の結果で気にした方が良いことや、それぞれの検査値の見方、検査値の特徴や活用のされ方についてご紹介します。

また「難しくて理解できない」とあきらめてしまわずに済むように、楽しい語呂合わせで覚える糖尿病の診断基準も併せてご紹介していきましょう。

さらに糖尿病の特徴や合併症、生活習慣の改善のポイントの語呂合わせも解説します。

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健康診断で血糖値関連の結果が出た際に気にするべきポイント

「健康診断で糖尿病の疑いがあるといわれたけれど、どの検査の結果が糖尿病に関連するのかわからない」と感じている方もいることでしょう。

健康診断で血糖値関連の結果が出た際に備えて「血糖値」と「HbA1c」という検査値を理解することが必要です。

血糖値を検査する方法には「空腹時血糖」と「随時血糖値」があります。

もっと詳しく調べるための検査が「ブドウ糖負荷試験」です。

ここでは、それぞれの検査値の見方や特徴、活用法についてご紹介しましょう。

健康診断の結果表には空腹時血糖と随時血糖値の項目欄があり、どちらかに結果の数値が入っています。

空腹時血糖値と随時血糖値はいずれも採血時点での「1dL(100ml)あたりの血液のなかに何gのブドウ糖が含まれているか」を示す値です。

この血糖値は常に変動するので、「空腹時」と「空腹時以外」に分ける必要があります。

<空腹時血糖値>

空腹時血糖値は検査当日の朝食を抜いた状態で測定した血糖値です。

最後に食事を摂ってから10時間が経過していれば空腹時血糖とみなすことができます。

10時間を超え、しばらく食事を摂ることができない場合でも血糖値は下がり続けるわけではありません。

血糖値を上げるホルモンが分泌され血糖値を一定に保とうとするので、空腹時血糖値は比較しやすい値といえるのです。

<随時血糖値>

空腹時以外の血糖値を随時血糖値といいます。

健康な人は食事の後すぐにインスリンの追加分泌が起こり、血液中の血糖が体に取り込まれ血糖値は速やかに低下します。

ただし、インスリンの分泌のされ方は食べたものや体質に左右されるため血糖値の下がり方にも個人差があるのです。

随時血糖は食事をとってから時間を決めずに血糖値の測定を行います。

<ブドウ糖負荷試験(OGTT)>

食事後の経過時間と血糖値の変動とインスリンの対応力を見るための精密検査が「ブドウ糖負荷試験(OGTT)」です。

この検査ではまず空腹時の血糖値を測ります。

そのあとブドウ糖を含む甘いソーダ―水を一気に飲んでから1時間後と2時間後の血糖値を測り、その推移からインスリンの働きを推測するのです。

通常の健診項目にはなく一般的には精密検査として行われます。

<HbA1c>

ヘモグロビンは人の血液中に含まれる重要な成分のひとつであり、たんぱく質でつくられている「グロビン」と鉄でつくられている「ヘム」が融合した成分です。

肺で酸素と結合し、末梢神経を通して酸素を全身に送るという働きがあります。

ヘモグロビンのなかのヘムが赤色素であるため人の血は赤い色をしているのです。

酸素と結びついて全身に送る働きがあるヘモグロビンは一方で血液のなかの糖と融合しやすいという性質があります。

ヘモグロビンには結合した糖の種類によって様々な呼び方がありますが、ブドウ糖と結合したものがHbA1cです。

HbA1cは食事や運動によって上がったり下がったりすることはありません。

数値は何か月の間変動することはなく、同じ数値が1か月以上続きます。

つまりHbA1cの数値を測定することは、測定する当日から1か月から2か月の間のHbA1cの平均値を測定するということなのです。

朝空腹の状態で測定する空腹時血糖値に対して、HbA1cはいつでも測定することができます。

血糖値の検査であれば検査日や前日の食事を抜くなどして下げることができますが、HbA1cはごまかすことができない値です。

このような特性から、HbA1cは検査前の数か月間の血糖コントロールがうまくいっていたかどうかのバロメーターとなります。

糖尿病の早期発見やすでに糖尿病になってしまった人の血糖コントロールの指標として使われているのです。

 

危険信号が出される数値はどのくらい?

血糖値の状況を見るための検査には「空腹時血糖」や「随時血糖値」「ブドウ糖負荷試験」「HbA1c」があります。

それぞれの値がどのくらいになると危険信号なのでしょうか。

空腹時血糖値、ブドウ糖負荷試験(OGTT)後2時間値、という2つの指標から「正常型」「境界型」「糖尿病型」に分類できます。

<境界型>

糖尿病とは診断されませんが、耐糖能異常の状態なので経過観察や生活習慣の改善が必要です。

糖尿病予備軍であり、必要であれば脂質代謝異常や高血圧の治療が行われます。

<糖尿病型>

糖尿病と診断された状態です。

HbA1cや血糖値の指標をみながら食事療法や運動療法を行います。

2か月から3か月治療を継続しても目標としている血糖管理ができない場合に行われるのは薬物療法です。

最後に食べ物を摂ってから10時間以上経過してから採血して検査する空腹時血糖値は、109mg/dL以下が正常型になります。

境界型の数値は110~125mg/dLであり、糖尿病型は126mg/dL以上です。

空腹時血糖値以外の時間帯に採血した随時血糖値では140mg/dL以上で精密検査が必要とされ、200mg/dL以上になると糖尿病型と診断されます。

次に、意図的に体に糖分を摂らせて血糖値の動きを見るブドウ糖負荷試験(OGTT)では、ブドウ糖の入った甘いソーダ水を一気に飲んでから1時間後と2時間後の血糖値を測り、その推移からインスリンの働きを推測します。

甘いソーダ水を摂取してから2時間後に測った値「2時間値」が139mg/dL以下は正常型です。

境界型の数値は140~199mg/dLであり、200mg/dL以上になると糖尿病型として診断されます。

これは随時血糖の基準と同じです。

ブドウ糖負荷試験では空腹のときと1時間値の数値を見ていくので、食事のあとに血糖値が上昇する食後高血糖がないかどうかも見逃しません。

糖尿病の早期発見や予防、そして治療に活かすことができます。

最後に長期的な血糖値のコントロールの状態をみるために数か月に1回行うHbA1cでは、血液中のヘモグロビンの何%が糖とくっついているかを検査します。

HbA1cは6.0~6.4%で糖尿病の可能性があるとされ、6.5%以上になると糖尿病が強く疑われると判断されるのです。

すでに糖尿病の治療を始めている人の場合は糖尿病の合併症を防ぐためにHbA1c7.0%未満を目指します。

健康診断などでは、糖尿病を予防する観点から5.6~5.9%を糖尿病予防の経過観察や保健指導の対象とする場合も多いです。

HbA1cの数値にはいくつかの種類があり、2011年以前の日本ではJDS値で表されていました。

その後、日本糖尿病学会が従来のJDS値から国際標準となっているNGSP値に切り替えることを決定し、健診の結果も変更されたいきさつがあるのです。

従来のJDS値に対して0.4を足した数値がNGSP値です。

そのためHbA1cの過去のデータと現在の結果を比べる場合には、その値がJDS値なのかNGSP値なのかを確認し、JDS値に0.4を加えてNGSP値と比べる必要があります。

 

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糖尿病である基準を覚えるための語呂合わせ

代表的な慢性疾患のひとつとして糖尿病が挙げられていたり、広告などで糖尿病に効果が期待できる健康食品やサプリメントが紹介されていたりと、糖尿病は身近な病気の代名詞のようになっています。

糖尿病を気にする方はとても多く、医療や保健関連の仕事はもちろん介護や福祉、美容やスポーツの分野でも糖尿病の基本的な知識が必要です。

しかし、糖尿病に関する検査の数値は血糖値のように同じ検査でも採血のタイミングによって異なります。

また異なる指標の検査があり、なかなか覚えにくいものです。

空腹時血糖の基準値と随時血糖の基準値を間違えて覚えてしまうと糖尿病を見逃してしまうリスクもあります。

血糖コントロールを間違って行ってしまうと大変な結果を招くこともあるのです。

そこで糖尿病の診断基準を間違えないために、多くの病気について学ばなければならない医学生や看護学生が使っている面白い語呂合わせをご紹介しましょう。

<「婿は早朝に良い風呂、2時間後臭う…常に臭う…」>

この語呂合わせには「糖尿病型」とされる際の診断基準がすべて入っています。

「婿(むこ)」の部分は、HbA1cが6.5%以上だと危険することばです。

「早朝」の部分は、早朝は空腹なので空腹時血糖値を表しています。

「良い風呂(良126)」の部分は、126mg/dL以上は糖尿病型という意味です。

「2時間後」の部分は、ブドウ糖負荷試験2時間値を表しています。

「常に」とは随時血糖値のことをいい、「臭う」の部分は200mg/dL以上は糖尿病型という意味です。

つまり「HbA1c」「空腹時血糖値」「随時血糖値」「ブドウ糖負荷試験」という検査がそろっている語呂合わせになります。

 

糖尿病関連の他の語呂合わせ

糖尿病型の診断基準となる検査値を覚えるための代表的な語呂合わせ「婿は早朝に良い風呂、2時間後臭う…常に臭う…」のほかにも、糖尿病に関連する語呂合わせを見ていきましょう。

<セブンイレブン>

血糖の正常値を覚えるための語呂合わせが「セブンイレブン」です。

朝食前の空腹時血糖の値が70~110mg/dlであれば正常値であることを表しています。

ずっと何も食べなくても血糖値を上げるホルモンなどで生命の維持に必要な血糖値を保つようにできているのが人間の身体です。

その血糖値のラインは70 mg/dlなのですが、血糖値は低ければ低いほどよいと誤解している人もいるので覚えておくと良いでしょう。

血糖を下げる薬などを服用している場合には血糖値が50 mg/dl未満になることがあります。

すると脳などの中枢神経がエネルギー不足の状態になって低血糖症状が出てしまい重症化すると命に関わることもあるのです。

<はひふへほ>

低血糖の特徴的な症状を覚えるための語呂合わせに「はひふへほ」があります。

低血糖症状の頭文字などを採ったものであり「は」は「腹が減る」、「ひ」は「冷や汗が出る」、「ふ」は「ふるえが出る」、「へ」は「変な行動」、「ほ」は「放置すると昏睡になる」という意味です。

<しめじ>

血糖コントロールが悪い状況が続くと糖尿病特有の微細血管のダメージが顕著になってきて、いわゆる「糖尿病の三大合併症」を引き起こします。

この三大合併症を覚えるための語呂合わせが「しめじ」です。

「し」は「神経障害」、「め」は目つまり「網膜症」を指し、「じ」は「腎症」を表しています。

糖尿病の血糖コントロールではこれら三大合併症は数年から十数年かけて進行していくのです。

血糖値のコントロールにおいてはこの三大合併症を起こしていないかどうかを常に意識して適宜検査を行います。

<A、B、C>

心筋梗塞や脳梗塞などの大きな病気を招くといわれているのが特定検診などで有名な「メタボリックシンドローム」です。

メタボリックシンドロームは肥満に加えて血糖値などの糖代謝と血圧、コレステロールなど脂質代謝に異常がある状態のことを言います。

これら検査値の異常は重複すればするほど、リスクが上がると考えましょう。

メタボリックシンドロームの危険因子見る検査を覚えるための語呂合わせは「A、B、C」です。

「A」は「HbA1c」、「B」は「血圧(Blood Pressure)」、「C」は「コレステロール(Cholesterol)」を表しています。

<A、B、C、D、E>

糖尿病で生活面すべき生活習慣の語呂合わせは「A、B、C、D、E」です。

「A」は「節酒、禁酒(Alcohol)」、「B」は「適切な体重(Body Weight)」、「C」は「禁煙(Cigarette Smoking)」を表します。

「D」は「バランスの良い食事(Diet)」、「E」は「適度な運動(Exercise)」とい意味です。

喫煙はメタボリックシンドロームの危険因子のひとつでもあります。

糖尿病に関する語呂合わせを楽しく覚えて、糖尿病の予防や早期発見、治療や重症化予防に活かしましょう。

 

まとめ

「HbA1c」や「空腹時血糖」「随時血糖値」「ブドウ糖負荷試験」など、血糖値の状況を判断するための検査はさまざまです。

空腹時血糖値では110~125mg/dLが境界型であり、126mg/dL以上は糖尿病型と診断されます。

随時血糖値では140 mg/dL以上で精密検査が必要とされ、糖尿病型と診断されるのは200 mg/dL以上です。

 ブドウ糖負荷試験の2時間値では140~199mg/dLが境界型であり、糖尿病型として診断されるのは200mg/dL以上になります。

HbA1cで糖尿病が強く疑われると判断される数値は、6.5%以上です。

6.0~6.4%の範囲だと、糖尿病の可能性があるとされます。

「婿は早朝に良い風呂、2時間後臭う…常に臭う…」や「セブンイレブン」などの語呂合わせで、糖尿病のコントロールに欠かせない検査値を覚えておきましょう。

 

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ライター紹介 ライター一覧

木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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