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高血圧対策は「食事のレシピ&日常の動作」に一工夫を加えればできる!

生活習慣病
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医師から高血圧と指摘され、どうやって血圧を下げたらいいのだろうと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

今は日本人の2.6人に1人は高血圧といわれる時代ですが、加齢に伴う血管の衰えやストレス、生活習慣などが高血圧の発症因子として大きく関与しています。

また、血圧を下げるために運動療法や食事療法が大切なことは分かっていても、なかなか行動に移せないという人もいるでしょう。

今回は、高血圧を改善するための日常動作や料理の一工夫をご紹介します。

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「高血圧」を放置すると起こりうること

高血圧を放置しておくとどうなってしまうのでしょうか。

そもそも血圧というのは血液が血管の中を通過するときに血管壁にかかる圧力のことをいいます。

高血圧という状態の危険性とは血管にいつも強い圧力が加わっているために血管の組織がダメージを受けてしまうことです。

そうすると血液を送り出す心臓にも負担がかかってしまうことになります。

ダメージを受け傷ついてしまった部分に悪玉コレステロールが付着すると動脈硬化になり、血管や臓器にさまざまな障害が起こってしまうのです。

つまり高血圧というのは動脈硬化のリスク因子と言えるのです。

高血圧を放置した際に発症しうる病態は次のとおりです。

・脳血管障害・・脳出血・脳梗塞
・心疾患・・狭心症、心筋梗塞、心肥大、心不全
・腎臓疾患・・・腎不全、腎硬化症
・血管疾患・・・動脈瘤、閉塞性動脈硬化症、眼底出血

高血圧はサイレントキラーという呼び名もあるように、自覚症状に乏しいため発見が遅れてしまうことで動脈硬化が重篤化し、自分の知らないうちに病気が進行していたというケースが非常に多いです。

<脳血管障害>

最も多いのが脳梗塞です。

高血圧による動脈硬化が進行すると血管が狭まり、血の塊である血栓ができやすくなります。

これが血管を塞いでしまう病態を脳血栓症といい、脳血管以外の場所で作られた血栓がなんらかの拍子に脳に飛び脳血管を詰まらせる病態を脳塞栓症と呼びます。

<心疾患>

高血圧の状態は、強い圧力で全身に血液を送る必要があるために心臓に大きな負担がかかります。

そうすると心臓の壁はどんどんと厚くなっていき、心臓が大きくなる心肥大につながるのです。

心肥大になると心臓の機能が低下し心不全を発症するほか、高血圧によって冠動脈に動脈硬化が起こると血管が狭窄したり、血栓が詰まったりするため狭心症や心筋梗塞を発症しやすくなります。

<腎臓疾患>

そもそも腎臓は体内で作られた老廃物をろ過し尿として体外に排出する役割があり、このろ過機能は糸球体にかかる血圧によって左右されています。

腎臓の機能がなんらかの原因で低下していると、老廃物をろ過しようと大きな圧力がかかります。

このことによって高血圧の状態になり、長く続いた場合は糸球体の動脈硬化が進むため腎不全や腎硬化症を発症してしまうのです。

<血管疾患>

血管障害である動脈瘤は高血圧による動脈硬化が進み傷んだ部分にコレステロールなどが蓄積し、こぶのようになったものです。

高血圧を放置しておくとこの動脈瘤はどんどんと大きくなっていき、ある日破裂してしまいます。

これを動脈瘤解離と呼びます。

また、手足の血管が高血圧による動脈硬化で狭窄、あるいは閉塞すると血流が滞るために手先や足先へ十分な血液が流れず冷感やしびれ、安静時の痛みやひどい場合は手先や足先が潰瘍や壊死になることもあります。

また、一定の距離を歩くと、ふくらはぎの部分がきゅーっと締め付けられるように痛み、休まなければならない症状間歇性跛行が見られるようになります。

加えて、目にも血管が通っているため高血圧によって動脈硬化が進むと眼底出血が起こり、視力障害などの後遺症を引き起こします。

 

このように高血圧を放置しておくと、場合によっては命に関わる重大な病気につながることもあるため、高血圧の早期発見はとても重要と言えます。

また、加齢に伴い血管も衰えやすくなるため高血圧になりやすく、中高年の方は特に注意が必要です。

血圧が気になるという人は毎日血圧を測定し、自分の血圧がどれくらいなのかを把握することから始めてみましょう。

 

高血圧を改善するための「日常の動作」の一工夫

高血圧に対しては運動の中でも「有酸素運動」が効果的と言われており、2004年のアメリカスポーツ医学会の公式的な見解において有酸素運動が5〜7mmHgの血圧を低下させることが明らかとなりました。

有酸素運動とは体の中に酸素を取り込むことで、糖分や脂肪分からエネルギーを作り出す運動のことを指します。

代表的な有酸素運動はこちらです。

・ウォーキング
・ジョギング
・エアロビクス
・サイクリング
・水泳

長時間行うような運動が多く、これらの運動を毎日続けることができれば一番よいですが、仕事や家事で忙しくなかなか長時間の運動に時間を費やすことは難しいという人も多いのではないでしょうか。

また、運動に対して苦手意識があるという人もいるでしょう。

30分〜1時間の運動を日常生活に取り入れることが望ましいですが、普段の生活動作に上手く運動を取り入れることで高血圧に対する効果が期待できます。

日常の動作に一工夫加えるという方法は運動に対する敷居も下がるため続けやすいというメリットもあります。

10分間の運動の場合は3セット行うなど、工夫をしながら自分のペースで続けていくことが大切です。

 

では日常動作の一工夫として、運動のアイディアを通勤・仕事・家事のシーン別にご紹介していきたいと思います。

まずは通勤時にできる運動です。

・駅のエレベーターやエスカレーターではなく階段を利用する。
・一駅分の徒歩移動を増やす。
・歩くときに早歩きを意識する。

駅での移動を階段の上り下りに切り替えることで運動量の増加につながります。

また、朝少し早めに出発し一駅前で降りて徒歩で職場に向かうというのも効果的です。

ポイントは、歩くときに早歩きを意識することがあげられます。

アメリカのミシガン州で行われた研究である「ヘンリーフォード運動試験」によると、運動強度を強めると血圧を下げる効果が高まるという結果が報告されています。

普段の歩行に意識して早歩きを取り入れることで、血圧を下げる効果がより期待できるのです。

この際、5分早歩きをした後に普通の速度に戻すということを繰り返すインターバル歩行が推奨されています。

 

次に、家事の合間にできる運動をご紹介します。

・お風呂掃除、床掃除、ワックスがけを行う。
・近所の買い物は徒歩や自転車で行く。

家事は面倒なものですが、見方を変えればきちんとした運動になります。運動が苦手だという人は、特にお風呂掃除や床掃除、ワックスがけなどをしっかりと行うことで、体を動かすという習慣をつけるようにしていきましょう。また、近所の買い物にも車を使っているという人は、徒歩や自転車で行くようにしてみましょう。

 

最後に、仕事中にできる運動をあげてみましょう。

・別のフロアに行くときに階段を積極的に使う。
・外でランチをするときには、車ではなく歩いて行く。

仕事の日でも意識的に歩くことを選択していくことが大切です。

ただ、加齢とともに膝や体の節々が痛むこともあれば体調が優れないこともあるでしょう。

運動で大切なことは自分のペースで行なっていくことで、こうした簡単な運動でも長く続けていくことが重要と言えます。

 

ただし、高血圧を改善するための運動を行う上で、いくつか注意すべきことがあります。

・医師によるメディカルチェックを行った上で運動を始めること
・体調がすぐれないときには無理をしないこと

運動強度を高めると高血圧への効果もより期待できますが、高血圧の程度や他の病気を合併している場合には運動に制限が生じるほか、禁忌となる場合もあります。

そのため、医療機関できちんとメディカルチェックを行い、自分に合った運動の内容を医師と相談の上進めて行くことが大切です。

運動強度を上げてもよいという場合はどのくらいまでの運動なら問題ないのか確認した上で始めるようにしましょう。

また、体調がすぐれないのに運動をしなければ!と義務感で行なっていると体調がさらに悪化する場合があるため、無理はせず楽しみながら続けていくことが大切と言えます。

 

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高血圧を改善するための「食事のレシピ」の一工夫

高血圧の原因の一つに糖の過剰摂取があります。

なぜ糖を過剰に摂取すると高血圧になるのでしょうか。

そのメカニズムについてご紹介します。

知っておきたいポイントは2つあります。

・糖の取りすぎによって増加した内臓脂肪が腎臓の塩分の排泄機能を低下させるため
・糖の取りすぎによる高インスリン状態の持続によって交感神経系が優位に働き心臓の活動が活性化され、脈拍数が上昇し血圧を上げようとするため

食事で摂取した塩分は腎臓でろ過され尿として体外へ出るのですが、糖の取りすぎによって増加した内臓脂肪が腎臓の機能を阻害するために塩分が処理されず、その結果高血圧になります。

また、糖の取りすぎによって血糖値が上昇すると、それを下げようとしてより多くのインスリンが分泌されるようになります。

この状態が続くと、インスリンが持つ興奮作用によって交感神経系が優位となり、心臓が活発に働くことで脈拍・血圧上昇を招くというわけです。

このことから、糖質をできるだけ避けることで高血圧を改善できるということになります。

ここでいう正しい糖質制限では、糖質を含まない調味料を使って魚や肉を中心とした料理を食べることが大切です。

今回は、食材・調味料選び、調理での工夫について、それぞれご紹介していきます。

 

肉や魚を選ぶ際は旬のものを選ぶとよいでしょう。

旬のものは新鮮で、味付けをしなくても十分美味しく食べることができます。

そこで、旬の魚を季節ごとにまとめてみました。

・春・・カツオ、マス、カンパチなど。
・夏・・アジ、アユ、ウナギ、マアジなど。
・秋・・タイ、カレイ、サンマ、サバ、マグロなど。
・冬・・アナゴ、カワハギ、ヒラメ、ブリなど。

旬の食材は栄養価も高いため、上手に取り入れていきたいものですね。

では、毎日のレシピに肉や魚を取り入れたレシピのアイディアについてご紹介していきます。

・常備しておきたい鶏ハムやゆで鶏
・あら汁や豚汁
・鍋料理は味に変化をつける

肉や魚はもちろんメイン料理として取り入れたいですが、副菜や主食にも加えると毎食効率的に摂取することができます。

鶏肉は値段が豚肉や牛肉に比べて安いため毎日取り入れやすいのがうれしいですね。

鶏肉はゆで鶏や鶏ハムなどにしておくと保存が効くため、毎日の料理に加えるほかお弁当のおかずとしても大活躍です。

鶏ハムはラップでくるむなどの作業が必要ですが、ゆで鶏も鶏ハムも茹でるだけで簡単にできてしまいます。

鶏ハムはどんな料理にも合いますし、忙しいときでも手軽にタンパク質を摂取することができるという点では非常に便利なですね。

いつもは味噌汁が定番という人も、豚肉を加えて豚汁にする、魚のあらを入れてあら汁として食べるというやり方もありますし、冬は鍋料理に肉や魚を入れてもおいしいので、このように工夫して上手にタンパク質を摂取していきましょう。

 

次に、糖質を含まない調味料について考えていきましょう。

一般的に糖質が多いと言われる調味料をまとめました。

・ケチャップ
・ソース
・みりん
・ポン酢
・カレールー
・白味噌
・顆粒だしの素
・固形コンソメ
・三倍濃縮のめんつゆなど

こうみてみると、糖質を多く含む調味料は砂糖以外にも多く私たちの周りに溢れていることが分かります。

ただ、調味料においても糖質ゼロのものは簡単に手に入れることができるので、今使っている調味料を見直せば糖質をしっかりと制限することができるのです。

 

まとめ

高血圧は自覚症状に乏しいため、知らないうちに合併症を発症することも珍しくありません。

高血圧に対しては、特別な治療が必要という以上に、血圧のセルフチェックや運動・食事に一工夫加えて、生活習慣を見直すことで高血圧を改善することは十分可能です。

大切なことは、無理をせずにできる範囲で、さらに自分のペースで毎日続けていくということでしょう。

運動は、万歩計を使う、あるいはスマホのアプリなどで歩数を記録として残しておくとモチベーションアップにもつながります。

血圧が下がれば運動や食事療法もさらにやる気が高まりますよね。

今までの生活習慣を変えていくのは簡単なことではありませんが、楽しみつつ、無理のない範囲で継続していきましょう。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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