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認知症、アルツハイマー病、うつ、統合失調症を防ぐ食べ物とは?

近年、高齢化によって認知症やアルツハイマー病の増加が社会問題になっています。

日本で認知症を抱える人は460万人といわれます。

また、うつ病や統合失調症などの精神疾患の人は300万人を超えるといわれます。

認知症、アルツハイマー病、うつ病、統合失調症などは「脳の障害」です。

私たちの体は食べ物でできていますが、では脳が健康であるためにはどのような食べ物を摂るべきでしょうか?

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脳の大半は脂肪でできている

私達の脳は、60~70%が脂肪でできています。

従って、脳が正常に働く為には、脂肪酸は絶対に欠かせない物質なのです。

脳の働きを最適に保つためには、我々の身体(体内)では作る事が出来ない「必須脂肪酸」を食べなければなりません。

食事中の必須脂肪酸のバランスが悪いと、脳の働きは阻害され脳の病気が起きる事が臨床研究で証明されています。

脳の発達は、生後5~6年で大体の成長が止まります。

飽和脂肪酸とくにオメガ3脂肪酸は、妊娠中はもちろん出産後にも重要です。

DHA(ドコサヘキサエン酸)は最適な機能を持つ網膜および視覚を司る脳の部分の正常な発育に欠かせない脂肪です。

また余ったDHAは、精神機能の正常化に役立ちます。

必須脂肪酸は「脳を作る材料」として重要な働きをしている他、脳神経伝達物質の働きや生成の役目も果たしています。

 

脂肪を摂って脳の老化、アルツハイマー病を予防

カナダの研究グループが専門誌に、脳の学習・記憶を司る脳領域にある神経細胞の、電気的・生化学的な働きに及ぼすオリーブ油やキャノーラ油・ラードなどに含まれる「1価不飽和脂肪酸」と肉・魚・植物油に含まれる「多価不飽和脂肪酸」の影響を比較した記事を発表しています。

7か月間の食事実験では、脂の種類によって脳細胞に含まれる脂肪の種類に明らかな違いが認められました。

1価不飽和脂肪の割合の多い食事は、脳の電気的・生化学的な働きを助け、学習能力を向上させ、さらに脳の老化を遅らせ結果としてアルツハイマー病の危険性が減ります。

また1価不飽和脂肪の割合の多い脂肪を食べると、重要な神経細胞間の連絡役をする神経伝達物質「アセチルコリン」の産生が増えます。

アセチルコリンは、学習・記憶に絶対的な働きをしています。

 

うつや認知症のリスクを減らす動物脂肪

アメリカや日本の食事で最も嫌われているのは、動物脂肪でしょう。

この間違った考えを植え付けたのは、無知な研究者やマスコミ連中が、動物脂肪は心臓疾患や認知症の最大の原因であると言いふらしたからです。

動物脂肪に含まれる飽和脂肪は心臓疾患や脳疾患と関係なく、むしろ減量やダイエットをしたいなら多めに食べることです。

我々の祖先は数百万年の間、動物脂肪を食べそれを身体つくりやエネルギー(カロリー)として使って来たのです。

このように身体のために良い物は、脳の働きにもよいのは当然でしょう。

多くの研究から、高脂肪ダイエット食は色々な程度の脳障害の治療や予防に役立つ事がわかってきました。

2012年に行われた研究では、低炭水化物・高動物脂肪ダイエット食を6週間続けると、アルツハイマー病の初期の老人の記憶力(ボケ)が改善される事が示されました。

多価不飽和脂肪酸には、必須脂肪であるオメガ3脂肪とオメガ6脂肪が含まれています。

我々の脳が正常に働くためには、これら等の脂肪が絶対に必要であって、特にオメガ3脂肪(DHA)を多く摂ればうつになる割合が減ります。

動物脂肪に多い飽和脂肪は、我々の脳細胞の主要な構成分の一つです。

ある研究では沢山の動物脂肪を食べると、認知症になる危険性が30%減る事が判ったそうです。

その他、動物脂肪は肝臓や免疫の働きにとって重要なものであり、またホルモンバランスを保つ為にも必要な物です。

卵には飽和脂肪や記憶力などの脳の働きに絶対に必要な「コリン」と云う物質が含まれています。

 

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誤りに気づいたアメリカの医師達

アメリカで多くの人達が関心を示す一つが沢山の脂肪を食べる“新石器時代ダイエット(パレオ・ダイエット)”です。

このダイエットに対する誤解は、飽和脂肪すなわち動物脂肪は、健康を害し肥満の原因になると云ったことです。

アメリカ政府と医師会が長年の間、科学的根拠が全くない“低脂肪ダイエット”や“コレステロール”を下げる薬を飲ませる“だまし政策”を押し付けてきた結果、心筋梗塞や癌・脳血管障害がむしろ増える一方でした。

製薬会社は政府と結託し、コレステロール薬で莫大な利益を上げる事が出来たのです。

今ではアメリカの多くの医師達は、ようやく自分達の誤りに気づき、政府や医学界が進めている食事=ダイエットの逆、すなわち高脂肪ダイエットを推奨する様になって来ています。

クリス・クレーサーの5年に及ぶ素晴らしい研究から、次の様な結論を引き出しています。

① 高コレステロールは、心筋梗塞の主な原因ではない
② 高動物脂肪食は、心臓疾患とは関係がない
③ 世間で健康に良いと言われているごま油などの“植物油”は、心臓病や癌その他色々な病気のもととなる
④ コレステロールを下げる薬は、心臓病による死亡率を下げるどころか、むしろ副作用により病気を助長する

 

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脂肪を食べても体脂肪にならない

我々の身体を作っている60兆個の細胞のすべては、コレステロール・脂肪・タンパクで出来ていて、特に脳は60~70%が動物脂肪で、その中の25%以上がコレステロールなのです。

脂肪を食べれば体脂肪になり、肥満になると誤解している医療関係者が未だに見受けられますが全くの誤りです。

アメリカでは過去20年間で肥満の割合が2倍になりましたが、政府の誘導により脂肪すなわち肉を食べないようにし、代わりにパスタやピザなどの小麦粉製品を推奨したからです。

いわゆる低脂肪・高炭水化物食で、結果“うつ”・“統合失調症”・“アルツハイマー病”・“認知症などの脳障害も激増しました。

事実、最近の研究では、良質の動物脂肪を食べれば、減量やダイエットの助けになる事がわかってきました。

赤身肉に多く含まれる飽和脂肪酸は、体の構成要素である細胞膜の約50%を占めています。

カルシウムなどのミネラル類を骨に運び込む為には、少なくとも食事に含まれる脂肪の50%は動物性のものでなければなりません。

ごま油や種油ではダメで、骨粗しょう症のもととなります。

動物脂肪は免疫力を高め、心臓を丈夫にします。

その証拠に、心臓の周りは動物脂肪に囲まれ守られているのです。

 

まとめ

食べ物は食べれば消化吸収され、さまざまな物質に再合成されて体の至る所に届けられます。

つまり脂肪を食べても「そのまま脂肪として体に溜まる」わけではありません。

誤解されることの多い脂肪(動物脂肪)ですが、実は私たちの脳や身体にとって絶対に欠かせない栄養素なのです。

一方で、エネルギーにしか使うことのできない「糖質」は体の中で使われないと余ります。

そして貯蔵するために脂肪になってしまいます。

つまり、むしろ糖質(炭水化物・植物性食品)の摂り過ぎが、体の中に脂肪を溜める原因となります。

あなたが毎日たくさん食べているのはどんな食べ物でしょうか?

参考にしてみてください。

 

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ライター紹介 ライター一覧

荒木 裕

荒木 裕

崇高クリニック院長。
1962年 京都大学医学部卒
1967年 京都大学医学部大学院卒
1968年 大阪北野病院勤務
1971年 アメリカハーバード大学付属 小児病院脳神経外科研修医
1973年 アメリカハーバード大学医学部 臨床栄養学部助教授
1976年 アメリカ国立公衆衛生研究所(NIH)客員研究員
1977年 アメリカサウスカロライナ大学 医学部勤務
1983年 崇高クリニック開設

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