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油断大敵!高齢者は空腹時血糖値が正常でも糖尿病になっているかも

生活習慣病
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糖尿病は、40代から有病者が増え始める病気ですが、50代になると、その数は急に増えます。

糖尿病が怖いのは、さまざまな疾病を併発するリスクが高い点にあります。

糖尿病を原因とする合併症は、全身にくまなく現れることが特徴ですが、特に目の病気である、「糖尿病性網膜症」と「糖尿病性腎症」、そして「糖尿病性神経障害」は目の三大合併症と呼ばれています。

糖尿病というのは大抵、空腹時血糖値の検査で診断することができますが、中には空腹時血糖値数値が正常なのに病状は進んでいく、「隠れ糖尿病」もありますから注意が必要です。

健康診断などで測定されるのは空腹時血糖値

日ごろから健康で、病院には滅多に行かないし、薬を飲むのは風邪を引いたときぐらいという50代の男女は多いのですが、自覚症状がなくても知らないうちに、疾病の未病状態になっている可能性は、ゼロではありませんから、できるだけ健康診断は、受けるようにしておくのがおすすめです。

ベーシックな健康診断では血液検査と尿検査を行って病気があるかどうかを調べますが、10年後、20年後のことを考えて特に入念に見ておきたいのが糖尿病の有無を調べるための血糖値です。

糖尿病かどうかを検査するためには、通常の場合、空腹時血糖値を測って判断します。

血糖値というのは、何かを食べるとすぐに上がりますので、採血をする前は9時間以上絶食するのが、空腹時血糖値検査の原則です。

ですから夜から朝にかけて、何も食べない状態で朝に採血を受け、検査してもらうことが大半となります。

空腹時血糖の正常な値は70~109mg/dlですが、これが126mg/dl以上になった場合は糖尿病と診断されます。

また、ごくまれに空腹時血糖値が70mg/dlに満たないことがありますが、こういう低血糖ではインスリンを分泌する膵臓に腫瘍ができる「インスリンノーマ」という病気の可能性があるのです。

糖尿病は大まかに分けると、1型と2型があるのですが、日本人の糖尿病患者の95%は、2型に分類されます。

この2型は、遺伝的な要因の他に食べ過ぎやストレス、あるいは運動不足などといった生活習慣が絡んで発病するもので、軽いうちは食事療法と運動療法で治療を行い、これでよくならない場合には、薬物療法に移ります。

初期のうちに適切な療法を受けておかないと、インスリン療法が必要になってきますので、注意しておいてください。

糖尿病になる人は、男女共に肥満タイプが多いので、該当する人は欠かさず健康診断を受けるようにしましょう。

また、親や祖父・祖母、叔父・叔母などに糖尿病が多い家系の人は、さらに要注意です。

50歳になったら毎年健康診断を受けて未然に病気を防ぐことで健やかな老後を過ごせます。

尚、1型糖尿病については、10代や20代の若い人に発病する場合が非常に多いのですが、1年間の発病率は10万人に1.5~2.5人と非常に低くなっています。

 

空腹時血糖値が正常でも「食後血糖値」が高すぎれば糖尿病

一般的な健康診断では、空腹時血糖値のみで血糖値が高いか否か、糖尿病であるかどうかを判断しますが、空腹時血糖値が正常値でも、食後血糖値が高い場合には糖尿病と診断されます。

空腹時血糖値だけでは適切に診断できない初期の糖尿病は、この食後血糖値を測ることによって発見されます。

食後2時間後の血糖値は、140mg/dl未満が正常値ですが、これが200mg/dlを超えている場合には糖尿病と診断されるのです。

基準値を超えておらず、糖尿病とは断定できないけれど検査結果で境界値が出た場合には、空腹時血糖値と食後血糖値の検査に加え、さらに「ブドウ糖負荷試験」というものを行います。

ブドウ糖負荷試験(OGTT)とは、ブドウ糖水溶液を5分間以内の間に一定量(通常75g)飲んでもらい、30分後、1時間後、そして2時間後の血糖値を測定するものです。

この負荷試験を行う際には、前日の夜から9時間以上絶食している必要があります。

空腹時血糖値の検査では、数値が正常でも食後血糖値が高い人のケースは、「隠れ糖尿病」と呼ばれ、最近その数が急速に上昇しています。

むしろ空腹時血糖値だけで血糖値を調べても、糖尿病の正しい診断は下せないというのが現状です。

糖尿病と診断された人の内訳を見てみると、空腹時高血糖群は、全体の10.4%にしか過ぎないのに対し、食後2時間後高血糖群は41.4%、さらに食後2時間と空腹時で高血糖が出た群は、48.1%にも上っています。

このように糖尿病というのは、空腹時血糖値だけでは検出するのが難しい病気ですから、おざなりの採血だけで正常値が出ても、ぬかよろこびしないことが重要です。

隠れ糖尿病を発見するためには、血液検査だけではなく尿検査も行うのが効果的とされています。

尿糖チェックは家庭でもできますので、試験紙を一箱常備しておくといいでしょう。

試験紙はドラッグストアや薬局で簡単に購入できます。

尿糖チェックを行うのに最適な時間は、夕食後2時間ほど経過したときです。

尿の匂いが気になる場合は、尿糖チェックをしてみましょう。

空腹時血糖値検査で問題がなかった人でも、尿糖チェックで陽性が出た場合には、すぐに医師の診察を受けなければなりません。

遺伝的に糖尿病が疑われる家庭では、月に一度は家族全員で尿糖チェックをするのをおすすめします。

 

高齢者の耐糖能は軽度の糖尿病患者並

私たちの身体は、食事を摂るとそのエネルギーを各臓器が消費し、余った分は蓄えておいて必要なときに利用することで機能しています。

食事から得られた栄養素を、身体中の各臓器に分配する役目はインスリンが行っていますが、高齢者になると、インスリンに対する反応が鈍くなってくるという現象が起こります。

しかもインスリンの分泌量自体も減少してきますので、血糖値を十分にコントロールしきれなくなって食後血糖値が上がってしまいます。

「耐糖能(たいとうのう)」とは糖分を処理する能力のことですが、この能力が高齢者では著しく低下してくるために軽度の糖尿病患者と同じような症状を呈します。

ですから50代・60代で糖尿病を患わなかった人でも、70代・80代の高齢者になったら糖尿病患者と同様の食事を摂るのが大切です。

同じ食事を食べるにしても、ゆっくりと食べると糖質の吸収を助けますから、一口食べたらお箸を置いてよく噛み時間を置いてからもう一口食べるといったように、時間をかけて食べるようにしてください。

献立にしても、高齢者だからといって野菜を中心に食べ、お肉をあまり食べないとタンパク質が不足して筋肉が落ちてしまい、血糖値のコントロールが難しくなるので気をつけたいものです。

鶏のささみなどといった良質なタンパク質はできるだけ食べるようにすると体力も維持できますし、糖尿が悪化するのを防ぐことができます。

このような食事に関する注意点を守ると同時に、食後は軽い散歩をするといった工夫も忘れないようにしましょう。

糖尿病を患っている人は、通常の人と比較するとアルツハイマー病になる確率が1.5倍、血管性の認知症になる確率は約2.5倍も高いといわれていますから、家族の方は、早いうちから食事療法などで病気の進行を遅らせるようにしてあげたいところです。

 

「歳のせいだから」と言って身体の異常を見過ごさないように注意

50代になっても、病気が全くなく毎日薬を飲む必要もないという人はかなり幸運ですが、本人は無意識でも、病気にならないための努力はしているはずです。

暴飲暴食をしない、運動不足に陥らない、身体に悪い食品はできるだけ口にしない、規則正しい生活を心掛けるといったような当たり前のことを、継続的に実践するのは実際にはなかなか難しいですが、人生はその努力を私たちに「健康」という形で返してくれます。

50代のころから、節度のある生活をしている人は、70歳、80歳になっても健やかな生活を続けることができるものですが、身体のちょっとした異変には、常に気を配り、病気を早期発見し、効果的な治療を受けられます。

糖尿病は、初期の段階では症状が非常にわかりにくく、糖尿だと気づかないで過ごす人が大半です。

胃や腎臓などといった、特定の臓器の病気であれば痛みや違和感がそこに特定されるため、わかりやすいのですが、糖尿病というのは、全身を巡る病気のため、最初は何が原因なのか分からない人もいます。

糖尿病の中でも初期症状として出やすいのは、神経障害です。

突然の立ちくらみに襲われて気絶してしまった人が検査を受けたところ、原因が糖尿病だったというケースも珍しくはありません。

また、自律神経がうまく働かなくて、下痢や便秘を繰り返す、あるいは手足がしびれたりこむら返りが起こったりするのも糖尿病の初期症状のひとつです。

会社で行われる集団検診の空腹時血糖値で、糖尿病と診断できなかったケースでも食後血糖値で糖尿病が発覚することがありますから、手のしびれは、歳のせいだろうと楽観的に考えず、徹底的に精密検査をしてもらって原因を突き止めるのが肝心です。

このとき、空腹時血糖値だけではなく食後血糖値も診てもらいましょう。

全身の疲労感や頻尿、多尿なども糖尿病の初期症状であることが多いものです。

血糖値が上がると、余分なブドウ糖を体外に排出しようとして腎臓が余計に働いて頻尿になることがありますが、歳だからトイレが近くなったと思い込まずに、医師の診断を受けたほうがいいでしょう。

このような状態を長くそのままにしておくと、腎臓に負担がかかり、合併症となって現れてきます。

糖尿病性腎症で腎機能が失われると、人工透析を受けなくてはならなくなります。

 

糖尿病にならない・進行させない・合併症を起こさない対処が大切

糖尿病という病気は、最初にも述べたように合併症が非常に怖い病気です。

空腹時血糖値がそれほど高くなくても、食べた後に血糖値が跳ね上がるタイプは病気の発見も遅くなってしまい、初期のうちに効果的な療法を行えないため厄介です。

糖尿病でよくいわれるのは、すり傷や小さな切り傷が治りにくくなることや、靴ずれなども一回起こすと治りにくくなり足が痛いといった状態が起こるようになるものです。

最近どうもささいな傷が治りにくくなったと感じたときは、すぐに医師の診察を受けるとよいでしょう。

空腹時血糖値の検査で結果が正常でも隠れ糖尿病の疑いもありますから、きちんと精密検査を受けるのがポイントです。

肝心なのは糖尿病にかからないことですが、これに関しては家族ぐるみで低糖質の食事を摂り、糖尿病を未然に防ぐのが一番です。

「健康な食事」というと野菜を中心にしてお肉はほとんど食べないのが理想的だと思っている人はまだまだ多いようですが、血糖値をコントロールしていくためには良質なタンパク源であるお肉は献立に欠かせません。

豚肉・鶏肉・牛肉のいずれも糖質は微量ですから、ダイエットだからといって我慢していないでしっかりとお肉を食べるようにしましょう。

脂身も、適度に食べたほうが糖尿病予防には効果的です。

空腹時血糖値が高く、糖尿病と診断された場合にも高タンパクの食事を欠かさないようにします。

血糖は筋肉中に蓄えられるものなのですが、十分な動物性タンパク質を摂って筋肉作りをしていないと筋肉中に蓄えられるべき糖分が血液中に入り込んでしまい高血糖の状態を作り出します。

食事療法を適切に行い、運動も欠かさず行っていけば、糖尿病の進行はある程度は食い止められます。

糖尿病の合併症の中には視力を奪ってしまう重篤なものもありますから、まずは定期検診を受けて早めに糖尿病を見つけるのが重要な課題となってきます。

このとき、空腹時血糖値の検査だけで判断をせずに食後血糖値も測ってもらい、より精密な診断を仰ぐのも必要です。

糖尿病だと確定しても、治療方針をきちんと立ててこれを実行していけば重篤な事態に至らず長生きも可能ですから、あまり悲観的に糖尿病を捉える必要はありません。

 

まとめ

糖尿病の怖いところは自覚症状がほとんど見られない点です。

ですから会社の健康診断などで偶然発見されることはあっても、診断を受けたときにはすでに合併症まで引き起こしていたといったケースも珍しくはありません。

また、空腹時血糖値では異常がなくても実際には糖尿病が進行しているという人も決して少なくないです。

糖尿病は食事療法や運動療法をしっかりと受ければ十分にコントロールできる病気ですから、あいまいな診断で満足するのは避けてできるだけ早く的確な治療を受けるようにしましょう。

 

▼糖尿病を徹底解説!血糖値・インスリン・糖尿病合併症・糖尿病専門医・食事療法の記事まとめ

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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