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がんは本当に遺伝する?「うちはがん家系だからさー」という言葉の信憑性

がんの遺伝について、皆さんもこれまで一度は気にしたことがあるのではないでしょうか。

よく「うちはがん家系だから気をつけなくては」という言葉を使ったことがあるかもしれません。

しかし、実際に親戚にがん患者が多いと本当に自分のがんになる可能性は高くなるのでしょうか。

もしもそれが本当のことならば、どんな遺伝性の腫瘍があるのか気になってしまうかもしれません。

今回はそんながんの遺伝についてお話します。

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親戚にがん患者が多いと自分もがんになる可能性が高いのは本当?

「親戚にがん患者が多いと自分もがんになりやすくなるのか」という疑問に関しては、実はあながち間違いではありません。

ある条件に当てはまるようながんの罹患者が家系にいる場合には注意が必要です。

どんな条件なのかを確認しておきましょう。

1.若いときにがんになったことがある人がいる
2.何度もがんになった人がいる
3.ある特定のがんが家系の中で多く発生している

これらの特徴があれば「遺伝性腫瘍症候群」の家系といわれています。

遺伝性腫瘍症候群とは、家族にがんが集積して起こる「家族性腫瘍」のうち病的な遺伝子の変異のひとつが親から子どもへ遺伝することでがんになりやすくなり、これらを元に発生する疾患のことです。

家族性腫瘍の中でも遺伝子検査を実施したり疾患の対処を行ったりすることができるのが遺伝性腫瘍症候群といわれています。

大腸がんに例を出してみると、家族に集積性が見られるがんは全体の約25%です。

一方で、遺伝性腫瘍症候群と言われるのは約5%と考えられています。

 

がんにつながる遺伝性の腫瘍にはどんなものがあるのか?

遺伝性腫瘍の多くは生まれつき「がん抑制遺伝子」に異常がみられることが原因となります。

がん抑制遺伝子は、細胞ががん化するのを防ぐ働きがあるのです。

それでは、がんにつながる可能性のある遺伝性の腫瘍にはどのような種類があるのでしょうか。

ここでは、主な遺伝性腫瘍としていくつか挙げて解説します。

1. リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)

大腸がんの2~3%を占めるこちらのリンチ症候群は大腸がんや子宮内膜、小腸などの易罹患性症候群です。

この大腸がんにかかりやすい平均年齢は45歳であり、大腸がんにかかりやすい一般的な年齢の65歳前後より若いといわれています。

リンチ症候群は、ある4つの遺伝子のうちひとつに変化があるとリンチ症候群に診断されるのが特徴です。

この体質は親から子どもへ50%の確率で遺伝することが分かっています。

リンチ症候群は当初は大腸がんとの診断を受けるものの、「アムステルダム基準」といわれるリンチ症候群の診断基準を満たすとリンチ症候群と診断されるのです。

しかし、これらの診断基準を満たしても確定診断にはいたらず、最終的には遺伝子の変化を調べる遺伝子検査が必要になります。

2. 家族性大腸腺腫症(家族性大腸ポリポーシス)

家族性大腸腺筋症は遺伝性大腸がんの代表であり、大腸内にポリープが100個以上多発する病気です。

しかし、リンチ症候群よりは頻度は低いとされています。

家族性大腸腺筋症のポリープは腺腫という種類で、この腺腫が多いほど大腸がんを発生する可能性が高いです。

この腺腫ががん化しやすいため、治療では全ての大腸を切除することがあります。

この家族性大腸腺筋症は大腸以外にも上部消化管などいろいろながんや腫瘍が発生することがあるのです。

この家族性大腸腺筋症は、ある遺伝子に変化が起こることが原因で親から子どもに半分の確率で遺伝するといわれています。

そのため家族性大腸腺筋症の患者さんが家系にいる場合には、大腸内視鏡検査や遺伝子検査を行うことで大腸がんが発生する前の家族性大腸腺筋症を診断することが可能です。

そのため、家族性大腸腺筋症の人は子どものころから大腸がん検診を受けることが推奨されています。

3. 遺伝性乳がん・卵巣がん

同じ家系の中で、乳がんや卵巣がんになる人が多く集まる疾患です。

遺伝性腫瘍症候群のひとつである乳がんは原因遺伝子としてある二つの遺伝子がその8割を占めているといわれています。

この遺伝性乳がんも、親から子に約半分の確率で遺伝してしまうのです。

例えば母親が乳がんとなった場合には娘も乳がんになるリスクが2倍になり、母と姉がなったときには妹のリスクは4倍になるとされています。

遺伝性乳がんは一般の乳がんよりも発症する年齢が低い、両方の乳房に見られる頻度が高い、卵巣がんを発症することがあるのが特徴です。

卵巣がんであっても、同じ二つ遺伝子に病的な変化があると卵巣がんに発症する可能性は高まります。

4. リー・フラウメニ症候群

YP53遺伝子とよばれる、がん抑制遺伝子が変異した遺伝性の疾患で常染色体優性遺伝のかなり稀な遺伝性の腫瘍です。

脳腫瘍・乳がん・肉腫など多くの臓器に多くのがんが発生し、大腸がん・肺がん・胃がんが発生する頻度も高くなります。

放射線を被曝することによる感受性も高く、18歳前にがんの約25%が発症し、このがん抑制遺伝子の変異を持つ人の半分が30歳までにがんが発症する可能性があるのです。

5. 網膜芽細胞腫

網膜芽細胞腫は網膜に発生する悪性腫瘍です。

乳幼児に多く、15,000~16,000人に対して1人の確率で発症するといわれています。

視力の低下で気づくことが多いものの、乳幼児の場合は発見されたときにはすでに進行している場合も多いです。

網膜芽細胞腫の3分の1をしめる両眼にできるタイプはほぼ全てのケースで遺伝し、片眼だけの場合はそのうち10%が遺伝といわれています。

網膜芽細胞腫が遺伝の場合にはたいていが5歳になるくらいまでのうちに発症するのが特徴です。

そして、二次がんといって骨や筋の肉腫もおこることがあります。

子どもがまだ小さなうちに早期発見と治療が行われることで視力・眼球を保つことのできる可能性は高いです。

もしも自分の家系で遺伝子の変化がみられるのなら、臍帯血等の遺伝子検査によりその遺伝子の保因者がどうかを見分けることができます。

遺伝性腫瘍が考えられる場合には赤ちゃんが生まれて早い段階に眼底検査をするのがおすすめです。

 

これらの遺伝生腫瘍症候群には、「臨床的な症状で診断できるもの」と「遺伝子検査を行い遺伝子に変化が見つかって診断されるもの」があることを覚えておきましょう。

自分が遺伝性腫瘍かどうか疑われるときは検査や治療はどうするのか、予防法、家族の検査などいろいろな問題が生じてきます。

一人や家族だけで悩むことなく、遺伝疾患・問題に詳しい専門家のカウンセリングを受けるようにしましょう。

さらに遺伝性疾患を抱えた患者や家族のサポートグループもあるので、そこで情報交換や交流を得ることも可能です。

 

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がんの要因は遺伝のみならず環境にもある

このように、がんになりやすい遺伝的な疾患や特定の遺伝子の変化は確かに存在しているものの、がんになりやすいかどうかは遺伝だけでは説明はできません。

例えば、個人を取り巻く生活環境もがんの発症に大きく関わることが分かっているのです。

これまで説明をしてきた遺伝性腫瘍はがん全体からみるとその5~10%といわれています。

「がん家系だから」とがんが家族で遺伝するのは、その原因となる遺伝子が分かっている遺伝性腫瘍というわけです。

がんはそのような遺伝にのみで起こるのではなく、その人を取り巻く環境にも大きく関わってくるといわれています。

ある血縁者のうち特定のがんの発症が多かったとしても、その人と同じ環境で生活を続けてきたことでがんになることもあるのです。

いわば、「がん家系」のもうひとつの意味として、がんにかかりやすい生活環境を世代間で引き継いでしまうことも含まれるといえるでしょう。

例えば、タバコを吸う人やたくさんのお酒を飲む人が家族にいた場合などはその習慣や環境が世代に引き継がれ、同じ生活習慣で過ごす可能性が高くなります。

このような生活習慣だけでなく、住む環境・食事の生活・経済的な環境・価値観などもがんに繋がりやすい要素は他にもたくさんあるのです。

がんは遺伝だけでなく、そうしたがんを発症しやすい全ての環境を受け継ぐことによって発症する可能性を高めるため、「がん家系」という言葉もある意味合っているといえるでしょう。

それらの背景を知ったら、まずは自分たちの生活環境ががんを発症しやすい環境になっていないかも家族全員で見直していくことが大切です。

遺伝性腫瘍は確かに遺伝子によりがんになる確率は高まり、生まれたときから特定の病気やがんになりやすい状況ではあります。

しかし、がんになるのはそのような遺伝的な理由だけでなく、それに加えて年齢・食生活の乱れやタバコ・飲酒習慣などの要因が組み合わさり、がんになりやすい環境を作り上げていくということなのです。

 

遺伝でがんになりそうな体質かどうかは調べられる!

では、自分ががんになりやすい体質かどうかを遺伝子の検査で事前に調べることはできるのでしょうか。

遺伝性腫瘍においては個人の既往歴・家族歴・現病歴などから判断してもらい、自分に合った遺伝子検査を行って診断を受けることが可能です。

がんの診療では遺伝学的検査と体細胞遺伝子検査という2種類の遺伝子検査があります。

それぞれの検査についてみてみましょう。

1. 遺伝学的検査

遺伝学的検査では、遺伝性腫瘍の体質があるかどうかを調べることが可能です。

遺伝子を調べるだけでなく、抗がん治療で使う薬を代謝する力がどのくらいあるか、副作用に対する耐性の強さなどの体質を測る目的で行われることがあります。

遺伝学的検査では、遺伝子を調べることで生まれつきの体質を知ることが可能です。

生涯持ち続ける体質・今後かかりうる病気の可能性・身近な血縁者の遺伝の可能性を調べ、わかることがあります。

これらの検査は医療機関でのみ受けることが可能です。

その結果によって普段どのような健康管理をすることが適切なのか、自分や家族のがん予防のため何をすべきか、治療を受けるときに戦略を考える参考にもなります。

しかし、その結果によってはがんになる可能性・家族ががんになる可能性も含めて知ることになり、ストレスとして感じる人がいるのも事実なのです。

2. 体細胞遺伝子検査

体細胞遺伝子検査はとくに大腸がんや肺がんで調べることが多く、後天的に発生したがん細胞の変化をみることでがんの種類やタイプを知る目的で行われます。

がんの細胞にある遺伝子の情報を調べることで、がん細胞の中での遺伝子の変化を知ることが可能です。

人は年齢や環境の変化で遺伝子にも変化が起こり、その結果細胞はがん化することが考えられています。

肺がんのひとつである腺がんでは「EGFR遺伝子」に変化がみられることがあり、このタイプのがんにおいてはこの遺伝子から作られるタンパク質に対しての薬剤が治療に有効なのです。

この薬剤が治療に効果的がどうかを調べるために体細胞遺伝子検査が実施されます。

最近では、ひとつの遺伝子の変異だけを調べるのではなく1回の検査だけでがんで起こっている100以上の遺伝子の変化を調べ、どのような抗がん剤を使うべきかを考えることに役立てる検査も行われているのです。

この検査を「がん遺伝子プロファイリング検査」ともいい、保険診療で実施しているところも出てきています。

これらのように遺伝でがんになりやすい体質かどうかは遺伝子を調べることで知ることができるようになりました。

遺伝情報は究極の個人情報と称されるほど健康管理や治療の選択肢まで細かく知ることができます。

そのため、それらの詳細な情報があるからこそ自己決定をすることが難しくなったり、心の負担になったりすることがあるのです。

そのような背景を理解しながら遺伝子検査を受け正確な情報を知り、その後専門的なアドバイスを得ながら何が自分にとって最適な選択肢なのか導き出すことが重要となります。

その最良な選択肢を選ぶためにも、今後は遺伝子検査を受ける前後には遺伝カウンセリングなどの専門家のサポートが必要になるといえるでしょう。

どの医療機関で遺伝カウンセリングが受けられるかは、全国遺伝子医療門連絡会議「遺伝子医療実施施設検査システム」で調べることが可能です。

 

まとめ

日本人のうち二人に一人が一生のうちに何らかのがんに罹患するといわれている今だからこそ、今回のがんの遺伝やがん家系の意味合いについてもう一度自分のこととして考えるきっかけになるかもしれません。

家族や親戚にがん患者が多いなど遺伝性腫瘍が疑われるような場合には、一度遺伝相談や遺伝カウンセリングを受けることを考えてみましょう。

そして、がんになりやすい生活習慣も世代間で受け継ぐ「遺伝的要素」も強いことから、これを機に家族間でがんになりやすい生活を見直してみるのも大切です。

 

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