血糖値は食べなくても高くなる?!意外と知らない「血糖値」のウソ・ホント
血糖値という言葉は、健康雑誌やテレビで取り上げられない日がないくらい日常に身近な言葉となっています。そもそも、血糖値とは何を指す言葉なのでしょうか?
生活習慣病の一種である糖尿病の診断には、この血糖値の検査が必要不可欠です。
血糖値とは、文字通り、血液内に含まれるブドウ糖(グルカゴン)の濃度の事を指します。血糖値は、血液を採取したり、血液数滴を専用の機械に通すことで、測定できます。
血液100㏄(1DL:デシリットル)の中に、何㎎のブドウ糖が含まれているかで、血糖値が高いのか低いのかを判定するのです。
一番わかりやすいのは空腹時の血糖値で、この値の基準値は70~109㎎/DLとなっています。血糖値が高くなるいわゆる高血糖の状態だと糖尿病と判定され、糖尿病の疑いがあるのが126㎎/DLからになります。
また、低血糖の症状は60㎎/DLから見られ始めます。
さらに、インスリンの働きで低下するはずの食後の血糖値が高いと、インスリンを分泌するすい臓の機能が落ちているという診断ができます。
このような診断をするために、血糖値は空腹時と食後の両方検査します。
もうひとつの糖尿病検査値として参考にするのがHbA1cの数値です。
HbA1cとは、赤血球中のヘモグロビンのうち糖と結びついている割合のことです。
高血糖の人はHbA1cの値が高くなり、低血糖の人は低くなる傾向にあります。
正常な人のHbA1c値は5.4%未満で、6.5%以上になると糖尿病の可能性が高いです。
どちらの値が高すぎても低すぎても、心身全体に影響が生じてきます。
これらについて、一つ一つ詳しく説明していきたいと思います。
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Contents
血糖値が高い時はどんな時でしょうか?
食後の上昇
血糖値は食事を摂取することで食後に上昇します。特に、食事に含まれる炭水化物はブドウ糖のもととなるため、ごはんやパンなど炭水化物の多い食事をすると数値が上がります。食べ物にあるブドウ糖は炭水化物→タンパク質→脂肪、の順番で少なくなっていきます。
薬剤摂取時の上昇
このほかに、ピル(経口避妊薬)やステロイド剤(副腎皮質ホルモンを含んでいるもの)など、薬剤を摂ることで高い値が出ることがあります。ピルはインスリンの機能を抑えますし、ステロイド剤は肝臓でのブドウ糖を生成する力を強くするので、注意する必要があります。
体調不良時の上昇
睡眠不足の時や風邪をひいた時、疲労時など体調不良の際にも高い数値が出ます。体調不良の時には交感神経を刺激するホルモンが出やすくなるので、成長ホルモンやアドレナリンなどが分泌されやすくなり、高い数値となりやすいのです。
その他の上昇
また、カフェイン飲料を摂取した後や、喫煙の後にも高い数値が出ることが知られています。
一時的な血糖値の上昇は、それほど神経質になる必要はありませんが高血糖の状態が続くようであれば、糖尿病の疑いがあります。
血糖値が高いと体にどんな悪影響が出るのでしょうか?
血糖値が高いということは、血液の中のブドウ糖の量が増えすぎてしまっていることになります。
血液中のブドウ糖が増えすぎると、ブドウ糖の量を下げる効果のあるインスリンが、すい臓から分泌されます。インスリンの働きが弱くなっているなどの理由で、インスリンが分泌されても血糖値が下がらないと、ブドウ糖がエネルギーに使われにくくなります。
食後にインスリンの働きで正常値まで下がるはずの血糖値が、いつまでも下がらない状態を「食後高血糖」よびます。
また、腎臓が尿をたくさん作ってブドウ糖を体外に排出するように働きます。そうなると、頻尿になるだけでなく体内の水分が少なくなって異常なのどの渇きを訴えることになります。このようなのどの渇きは、糖尿病の特徴的な症状でもあります。
さらに、血糖値が急上昇することでも体に悪影響が出てきます。
血糖値の急激な上昇に反応して、インスリンが大量に出すぎてしまうため、使い切れなかった糖が脂肪として蓄えられてしまうのです。また、急上昇した後に急激に下がると異常な空腹感にみまわれて、間食を我慢することが困難になります。
どちらも、肥満の原因になり、さらなる高血糖状態に陥る危険性があります。
糖尿病の治療では、血糖値のコントロールが非常に重要なポイントになります。
血糖値の上昇をできるだけなだらかにするには?
血糖値の上昇がなだらかになれば、下がることもなだらかになるため、体への負担が少なくなり、体への悪影響は少なくなると考えられています。特に、食事の時には、血糖値コントロールについて意識することで上昇スピードを緩やかにすることができます。
その1
まず、食事をとる時にはできるだけゆっくりと噛むようにします。噛む回数を増やすことで満腹中枢を刺激します。また、噛むことで食物が小さくなり、消化吸収にかけるエネルギーが下がる効果もあります。ゆっくりと回数を増やして噛むことで肥満の予防にも繋がります。
その2
次に、食べる順番を考えながら摂取することです。初めに野菜や海草類などから摂取し、それから魚や肉などのおかずを食べ、最後にお米などの炭水化物を摂ると高血糖になるのを予防できます。
その3
そして、油(脂肪)を有効に活用することで食後の高血糖や肥満予防に効果があります。脂肪をとることになるため敬遠する人もいますが、実は油は吸収するまでに時間がかかるため、ゆるやかな上昇となるのです。
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血糖値が下がる時はどんな時ですか?
人間が分泌するホルモンで血糖値が下がる効果があるのは、インスリンのみとなっています。
なぜ血糖値を下げるホルモンがインスリン1種類だけなのでしょうか?
その理由は、体内のブドウ糖の量を高い状態にすることの方が、体にとって大切なことだからです。つまり、脳の活動に必要な栄養素であるブドウ糖が少なくなると脳の働きが低下し、生命を維持することが困難になるのです。
血糖値が低い状態を低血糖と言います。低血糖が続くと、最悪の場合死をもたらす危険性があります。
血糖値を下げる効果のあるホルモンがインスリンの他にあると、低血糖になる危険性が上がってしまうため、インスリン1種類だけなのです。
低血糖になるのはホルモンの効果だけでなく、食事の量が少なかったり糖質が少なくなりすぎてしまう時にもみられます。また、いつもよりも負荷の大きい活動や空腹時の激しい運動をした時に血糖値の検査をすると、低い値が出ることがあります。
他にも、過度な疲れや不規則な生活をおくっていることで血糖値が下がることがありますので、普段の生活習慣から気を付ける必要があります。
血糖値が下がることにはどんな危険がありますか?
血糖値が下がると、自律神経に悪影響をおよぼし、次のような症状が生じます。
交換刺激症状として
・手指がふるえること
・動悸がすること(心臓が脈を打つ)
・顔面が蒼白になること
・頻脈になること
などがみられます。
副交感神経への働きによる症状として
・強い空腹感
などがあります。
血糖値の数値が低ければ低いほど、症状がより深刻になってきます。
まず、50㎎/DL程度の数値になると、だるさや眠気や、冷や汗や吐き気などが生じます。
そして、30㎎/DLになると意識消失や異常行動がみられたりろれつがまわらなくなったりします。
それ以下になると、けいれんや意識障害を生じ、最終的には昏睡状態に陥ってしまいます。
こうなる前に、自分で低血糖の症状を自覚することが大切です。
また、周囲との連携を常日頃からとっておく必要があり、状況に応じて低血糖の治療を開始しておきます。
そうすることで、生命の危機的状況といった最悪の状況を回避することができるのです。
血糖値が下がった時の対処法とは?
血糖値が下がった時には、素早く高い状態に持っていく必要があります。
低血糖症状に陥った時の応急処置としては、ブドウ糖を10~20㎎程度を摂取することが大事です。携帯用のブドウ糖が市販されていますので、低血糖の症状になりやすい人におすすめです(飴状になったものが入ったものでも1袋200円程度で購入することができます)。
また、それでも回復することのできない重篤な状況となった時の治療法としては、筋肉にグルカゴン(血糖値を高い値にする効果のあるホルモン)注射をする必要があります。この注射は医療機関で指導を受けてから行わないと難しいため、家族や知り合いの方に低血糖の症状が出ている場合には必ず受けるようにしてください。
また、低血糖症状になりやすい方は糖尿病を有している方が多くなっています。そのため、治療を受ける際は糖尿病のカードを持参していただいて、自分の状態を正確に周囲に伝えることが大切になります。
まとめ
このようにみていくと、血糖値は高すぎても低すぎてもどちらも体にとっては良い影響がありません。
しかし、ほとんどの場合自分で意識することで血糖値をコントロールすることは可能です。そのため、普段の生活をできるだけ健康的に保つことが無理なくコントロールできるコツであると言えます。
自己判断は危険なので、まずは医療機関で気になる症状について説明し、血糖値検査を受けて正しい数値を得たうえでどのような治療が適しているのかを診断してもらいましょう。現在、血糖値が高い状態である方は、まず専門の病院を受診していただいてお医者さんの指導の下で慎重に治療を進めていく必要があります。
また、低くなりやすい方についても、同様の対応をするとともに、生命の危険を伴いますので、応急処置については自分でも理解して実践していく必要があります。
そのためにも、まずは定期的に健康診断を受けて、自分の体の状況を正確に把握することから始めましょう。それと合わせて、食事や生活習慣に偏りが出ないように安定感のある生活を心がけることが糖尿病予防になります。
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