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ヘモグロビンA1c値が高い人の糖尿病対策・改善の知恵

 2016/05/23 生活習慣病
この記事は約 11 分で読めます。 68,401 Views

現代病といわれ、最近では若い人にも多い糖尿病。ストレス、肥満や暴飲暴食などのライフスタイルの乱れから起こる私たちの身近な生活習慣病であり、いかにも現代人らしい病気です。

名前の通り、血糖値が高すぎて尿に糖が出るもので、放っておくとさまざまな臓器に合併症が起こる危険性があります。

そして糖尿病は非常に気づきにくいといわれており、最初のうちは症状を感じることはありません。

糖尿病の疑いがある場合は、空腹時と食後の血糖値を検査して、その数値が基準よりも高いか低いかを確認します。

血糖値と共に検査される数値がHbA1c値で、この数値も糖尿病の診断に深く関わっています。

今回は、意外と侮ることができない糖尿病についてとその対策についてご紹介します。

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ヘモグロビンA1c値とは

医学にある程度知識がある人ならご存知かもしれませんが、あまり詳しくない人に取っては聞き慣れないヘモグロビンA1c値。まず、ヘモグロビンとは血の赤い色素のことで、赤血球に含まれるタンパク質のことをいいます。

そして、体内に酸素を届ける働きをしているヘモグロビンにグルコースがくっついたものがヘモグロビンA1c。このヘモグロビンA1c値の寿命は4ヶ月で、この間少しずつブドウ糖と結びつきます。

ヘモグロビンA1c値が高いということは結びつく糖が多く高血糖であるということが分かります。

糖尿病の検査でヘモグロビンA1c値の数値を調べることで、どれほど糖尿病リスクが高いかが分かります。

 

ヘモグロビンA1c値が高いとどうなるか

一般的なヘモグロビンA1cの基準は5.8~6.2%といわれています。これより高いと高血糖状態が続いていたということになり、糖尿病のリスクが高くなります。

さらにこれが、8.0%を超えた状態が長く続くとさまざまな合併症が起きてきます。糖尿病の合併症として、足のしびれや真剣障害をはじめひどくなるとガンの確立も上がります。

ヘモグロビンA1c値と血糖値の違いですが、血糖値は血液検査をしたときの血糖状態のことを指し、食事や運動で糖を消費することで日々変動します。しかし、ヘモグロビンA1c値は過去1、2ヶ月の血糖状態を表すので血糖値よりももっと正確な血糖状態を知ることができるのです。

定期的にヘモグロビンA1c値の検査をして血糖の異常を早めに見つけて防ぐことが大切です。なお、健康診断などで表記されるヘモグロビンA1c値の数値は、日本ではずっとJDS値でしたが、2013年より国際基準であるNGSP値に変更になりました。

下記は、ヘモグロビンA1cの段階による症状です。自分のヘモグロビンA1c値を確認し参考にしてみましょう。

①HbA1c値が6.0~6.9%

この状態を放っておくと、多くの人が数年以内にHbA1c値が7.0%代に上昇します。その後また多くの人が数年で8.0%以上となります。

すい臓がインスリンを出す力は年齢とともに落ちていき、糖尿病と診断された時点ですでに正常の半分以下に落ちているといわれています。血糖値が高いほどインスリンを出す力は加速度的に悪化していき、血糖値がどんどん上がってしまいます。

合併症はまだ少ないですが、早急に治療を進める必要があるグループです。

②HbA1c値が7.0~7.9%

この段階になると特にHbA1c値7.4%以上の人は危険で、ちょっと食事を気をつけるなどで改善できるレベルではありません。またこのレベルの値になると、合併も進みます。

主治医の先生に相談し治療に変化がなければ専門の医師を受診しましょう。まだどこにも受診していない人はすぐに受診してください。内科に毎月通わなければならないほど重傷です。

③HbA1c値が8%以上

HbA1c値が8.0%以上 は合併症が進みやすい状態で非常に危険です。放っておくと5年程度で、両足のしびれがはじまりやがてひどいと痛みにかわります。さらに視力が低下してい、最悪の場合は失明します。また他にも急に心筋梗塞や脳梗塞になったり、癌で入院したりするケースも考えられます。

このレベルまで達すると、仮に今何も症状がなかったとしても、合併症はかなり進んでいることでしょう。すぐに治療を始めないと大変危険な状態です。

 

ヘモグロビンA1c値を下げるには

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ヘモグロビンA1cを下げるにはまず、普段の血糖値を低くすることから始めます。

糖尿病の治療の一環として、血糖値とHbA1c値の数値を検査します。

1番理想なのは、糖質を摂取しない食事指導をしてもらい、専門家の指示に従い正しい食生活と運動を行うことです。コツコツと1日の平均血糖値を低くしていきこれを1~2ヶ月続けることでヘモグロビンA1cを下げていきます。

通常は、1~2ヶ月で1%ずつ落としていくのが体に負担がかかりにくく健康的です。ヘモグロビンA1cの値を急激に下げると血管に衝撃を与えてしまい、炎症を起こして出血する場合もあるので気をつけましょう。

また、ヘモグロビンA1cを下げる最大のポイントは、食後の血糖値をいかに上げないかということです。食後の血糖値を特に注意するようにしておけば、1、2ヶ月の平均血糖値も低いままなので必ずヘモグロビンA1cが低い値を記録することができるでしょう。

整理すると、血糖値を上げるのは糖質で、そのために糖質制限の食事をする=高血糖にならない食後の血糖値の管理が平均血糖値を下げることにつながり、その結果、ヘモグロビンA1cを下げることにもつながります。

平均血糖値とHbA1c値が下がれば、糖尿病の悪化を予防することができるのです。

 

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食後の血糖値を下げる運動

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先述したとおり、ヘモグロビンA1cを下げるには血糖値を低くすることが大事です。食後は特に血糖値が上がりやすく気をつける必要があります。

血糖値を下げるのに有効な運動が、食後に30分のウォーキング。時間があれば、食後にウォーキングを習慣化して、血糖値を正常値の範囲内にしておくのがオススメです。

これは、実際にジョージ・ワシントン大学の研究チームが、糖尿病予備群と判定された10人に行った研究で「食後に血糖値が高くなる人は、毎食後に15分のウォーキングを行うと、1日の中でまとまった時間をつくり集中的に運動するよりも血糖値を下げることができる。」と実証されています。

ウォーキングのような有酸素運動は、糖分がエネルギーとして消費され血糖値を下げる効果が期待できて、ついでに脂肪燃焼もできておトク。

食事をした後、テレビを見ながらうたた寝をしてしまう……、なんてことは誰しも経験があるかもしれませんが、これは最も危険な生活習慣だといわれています。

適度な運動習慣は、血糖値を下げるだけでなく肥満の予防や生活習慣の改善にもつながります。

ウォーキングはコストもかからず、自分を意識改革するだけで手軽に行えるのでさっそくとりいれてみてはいかがでしょうか。

 

ヘモグロビンA1c値を下げる食べ方

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運動と同時に心がけたいのが食生活の改善です。毎日の食事に少し気をつけただけでヘモグロビンA1c値を正常な数値に戻すことができます。

糖質である炭水化物の過剰摂取は血糖値を急激に上昇させるので、主食である炭水化物は可能な限り抑えるように努力していきましょう。そして、食べ過ぎも同様に血糖値をあげてしまうのでくれぐれも注意するようにしてください。

糖尿病は、生活習慣病なので生活の一部である食事を見直せば、糖尿病を予防することができます。

 

オススメの食べ物、注意すべき食べ物

では、先述した食事の取り方を参考に一体どんな食べ物を積極的に摂取していいのかをご紹介します。

ポイントは、糖質制限を守る、バランス、そして続ける、ことです。これらのルールを守った上で①~⑤のような血糖値に関して効果のあるといわれる食べ物を進んで摂取していきましょう。

ここでご紹介する食事のポイントは、糖尿病対策だけでなく肥満予防も期待できます。

糖質が高い好きな食べ物は少しの間我慢して、他の食べ物に置き換えていくだけでも効果が見込めます。

① 野菜

一般的に野菜は積極的に摂ることが健康に良いと推奨されています。

但し、野菜も炭水化物の一種ですので糖質を含んでいます。特に、じゃがいも・大根・ごぼうなどの根菜類や、その他にもトマト・かぼちゃ・たまねぎなどのような野菜には、たっぷり糖質が含まれていますのでお勧めできません。

野菜は、あくまでも料理の彩程度にのみ摂取することをお勧めします。

② 納豆

肥満の原因になる脂質の代謝を促進させ血糖値を下げるビタミンB2や血糖値の上昇を抑えてインスリンの分泌を活発にしてくれるレシチン、消化吸収をゆっくりにしてくれる食物繊維などの成分が多く含まれています。

但し、市販されている納豆の多くは、昔のように藁でしっかり発酵させていないものがほとんどで、たくさんの糖質を含んでいるものばかりですので注意が必要です。

③ するめ

イカの内蔵をとって乾燥させたもので、アルギニンが多く含まれています。アルギニンとは、アミノ酸の1種でインスリンの分泌を促す作用があります。これにより血糖値の上昇が穏やかになります。

④かつお節

糖分が細胞と反応して糖になるのをふせいでくれるアンセリン・カルノシンという抗糖化物質が多く含まれています。

 

ヘモグロビンA1c値を下げる飲み物

食べ物以外にも、飲み物によって血糖値の上昇を抑えることが可能です。ヘモグロビンA1c値の数値が高く、糖尿病の疑いがある人は、以下を参考にしてください。

① 緑茶・カテキン茶

緑茶に入っているポリフェノールの一種であるカテキンは、AGEというタンパク質と糖が結びつく悪玉物質の発生を抑える働きがあります。また同時に、血糖値の上昇を抑える働きも。

② コーヒー

コーヒーに含まれるクロロゲン酸が血糖値の上昇を抑えるといわれます。ただし、砂糖やミルクはNGな上、コーヒー豆にも糖質が含まれていますので、特に飲まなくもて良い飲み物です。

③ その他

その他にも血糖値の上昇を抑制する、つまり糖の吸収を抑制する成分はありますが、大切なことは、同時に糖質まで摂取してしまわないようにすることです。

血糖値の上昇抑制に効果のある成分のみを抽出して、効率よく摂取することをお勧めします。

 

薬物療法とは

ご紹介したような運動や食べ物の改善による療法もありますが、病院で糖尿病と診断されたら治療のために薬物を使って血糖値とHbA1c値を下げることもあります。

薬は副作用もあるのであまり使用したくないというかたが多いかもしれませんが、かなりの高血糖でHbA1c値がダントツに高いという方は薬によって血糖値を下げるのが有効な場合もあるのです。

食事療法と並行して薬物療法を行うことで、糖尿病の症状の改善と現状より悪化しないように対策することができます。

たくさんの種類の薬がありますが、基本的に病院からは下記の3つが処方されるケースが多いです。

①α‐グルコシダーゼ阻害薬

グルコバイやベイスンといわれているもので、食後の血糖値の上昇を抑える働きがあります。食前に飲んでおくと食べたものの分解や吸収を遅らせてくれるので血糖値の上昇を防いでくれるのです。

比較的副作用は少ないですが、食べたものの吸収速度を抑えるだけで、結局は全部吸収されるのであくまでも血糖値の急激な上昇を抑える働きがあるだけの薬です。

②スルフォニル尿素薬

この種類の代表的な製品名は、ダイアグリコやオイグルコン、アマリールなどといわれているものです。すい臓を刺激してインスリンの分泌を高めそれにより血糖値を下げるという作用があります。

したがってこの薬は、すい臓がインスリンを製造する能力が或る場合にしか有効でなく、もし機能が低下している場合は効き目はありません。

また、低血糖の副作用があり、必要以上にお腹が空く副作用があるともいわれています。下手したら、過食の方に拍車をかけてしまう恐れがあるためあまりオススメはできません。

③インスリン抵抗性改善薬

インスリンは出ているけれど、いまいち効きが悪いという場合にしようされるもので、アクトスといわれています。この薬の欠点は、とにかく副作用がきついとされており肝臓に悪い影響を与える場合もあります。

ご紹介した薬はどれも糖尿病の根本治療ではなく、血糖値の上昇を抑えることが主な目的とされています。そして薬の使用をやめるとまた体調がおかしくなることが多くみられるのも現状です。薬での治療だけでは限界があるのを感じます。

 

漢方の力で治癒

薬の他に、自然由来のサプリメントを取り入れ糖質をコントロールする方法もあります。食事や運動に注意しつつ取り入れていくのがオススメです。

ヘモグロビンA1cが高い人に有効な漢方をご紹介します。漢方は人によって相性があるので、自分にあったものをいろいろ試しみてください。

① 高麗人参

サポニンが血流を促進し血管を強化してくれます。脂質やコレステロールを減らす効果も。

② 鹿角霊芝

β―グルガンを豊富に含み、代謝機能を改善してくれます。免疫や代謝の活性化を助けてくれます。

③ ステビア

糖質のカロリーを抑え、インスリンの抵抗性を改善してくれます。

 

まとめ

糖尿病は、症状が進行して合併症が出ると、とてもつらく治療も困難です。

そのため症状が少ない初期の段階で対策をすることが大切です。

基本は日々の生活習慣を正し、それを継続することが大切です。

血糖値を上昇させる原因となる糖質を摂取しない食事と、毎日続けられる無理のない運動の2軸を意識しながら生活し、それでも難しい場合のみ漢方やサプリメントを併用するのがいいかと思われます。

辛いと継続するのが難しいので、無理の無い範囲で取り組むように心がけましょう。

 

▼糖尿病を徹底解説!血糖値・インスリン・糖尿病合併症・糖尿病専門医・食事療法の記事まとめ

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木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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