怯えなくても大丈夫!皮膚がんとほくろの見分け方
年齢を重ねるに従って人の肌にはどうしてもシミや皺が増えてしまうため、毎日鏡を見ながら自分の肌の変化を気にしているという方は多いことでしょう。
肌に生じるシミなどの変化は通常命にかかわるような病気へ直結することはないものの、皮膚がんによって生じる肌の変化の中にはシミなどに似たものもあり、早期治療を行うためには早い段階でそれらの異常に気付けるようにしておかなければなりません。
今回はそんな皮膚がんの詳細や原因、見間違えられることが多い肌に生じる変化、見分け方について解説します。
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皮膚がんとは
皮膚にできるがんを指す皮膚がんには、主に以下の4種類があります。
最初にこれら各々の特徴を見ていきましょう。
・悪性黒色腫
皮膚にはメラニンと呼ばれる成分が含まれており、肌の色はこの成分によって構成されています。
このメラニンを構成する細胞ががんになり、肌の色に変化が生じる病気を「悪性黒色腫」と呼び、これもまた皮膚がんの一種に分類されます。
この悪性黒色腫になると患部は黒く変色しますが、その大きさによってはほくろと見分けがつきづらくなるため、早期発見が難しくなってしまうこともあります。
また、悪性黒色腫は主に白人に多く、日本人の年間罹患者数は5万人に1人となっています。
悪性黒色腫の発症者は高齢者に多いことが知られていますが、その一方で壮年期での発症も少なくはなく、少し大きめのほくろのようなものが見つかったら、できるだけ早く皮膚科へ行き診察を受けるのをおすすめします。
・有棘(ゆうきょく)細胞がん
いくつもの層が折り重なった状態になっている皮膚のうち、最も外側に位置し、空気が触れている部分を「角質」と呼びます。
この角質の部分を構成する有棘細胞に生じるがんを「有棘細胞がん」と呼び、高齢者に多い皮膚がんの一種として知られています。
有棘細胞がんは紫外線を多く受けることによって発症することが分かっており、日常的に日光を浴びることが多い方などは特に注意が必要です。
また、初期の段階に関しては皮膚がんではなく「ボーエン病」や「日光角化症」と診断されることもあり、これらの病気が進行することで有棘細胞がんになるケースもあります。
・基底細胞がん
有棘細胞のもとになる細胞のことを「基底細胞」と呼び、この細胞に生じる皮膚がんは「基底細胞がん」に分類されます。
この基底細胞がんもまた高齢者に多く、原因としては紫外線を多く浴びることが指摘されており、有棘細胞がんに似たがんということができます。
基底細胞がんになった箇所は、悪性黒色腫のような黒く変色した状態になると同時に潰瘍化することもあり、重症化を防ぐためにも手術による早期治療が求められます。
また、他の箇所に転移することは稀であるものの、放置していると同じ箇所の骨にまで進行してしまうことがあります。
・乳房外パジェット病
乳房外パジェット病は乳がんによって生じるがん細胞に似た細胞が増殖する皮膚がんの一種で、その名称から乳房の周辺に生じることが多い病気と勘違いされることもありますが、腋の下や肛門の周辺などにも発症するケースも見られます。
このがんはリンパ節や内臓、骨に転移しやすく、進行すると重症化しやすいことが分かっています。
また、女性に比べて男性の発症者のほうが2倍程度多いことが分かっているものの、重症化することが多いことを考慮すれば女性でも注意が必要な皮膚がんの一種といえるでしょう。
皮膚がんの主な原因
皮膚がんの原因としてはさまざまなものが指摘されていますが、特に原因となることが多いのが以下の5つです。
・紫外線
皮膚がんの原因の中でも特に多いものが紫外線です。
紫外線から発せられる紫外線エネルギーには細胞内の遺伝子を傷つける働きがあり、これにより発がんが促進され皮膚がんが発症してしまいます。
上述した有棘細胞がんや基底細胞がんはこのような紫外線が細胞の遺伝子に及ぼす影響によって発症するものであり、紫外線を浴びる機会が多いほどその発症リスクも高くなります。
紫外線による皮膚がんの発症を防ぐためには紫外線を多く含む日光をできるだけ浴びないようにするのが有効ですが、紫外線による皮膚への影響は蓄積されるため、若いころから日焼け止めなどによって紫外線対策を行っておくことが非常に重要となります。
・喫煙
皮膚がんに限らず発がん性物質を多く含むものを体内に取り込むことは、がんの発症リスクを高める要因となります。
とりわけタバコには多くの発がん性物質が含まれることから、皮膚がんだけでなく多種多様ながんでその原因になることが指摘されています。
そのため、皮膚がんに関しても喫煙はその大きな原因になるとの認識をし、自身が禁煙することだけでなく受動喫煙をしてしまわないよう心掛けることも、その予防においては重要といえます。
・ウイルス感染
皮膚がんの中にはウイルス感染を原因とするものもあります。
例えば、メルケル細胞がんと呼ばれる皮膚がんの一種は「メルケル細胞ポリオーマウイルス」と呼ばれるウイルスが関連しています。
また、このようなウイルス感染を原因とする皮膚がんでは紫外線を多く浴びることによって細胞の免疫力が低下しウイルスに感染することで発症するというケースもあり、複数の要素が原因になることもあるのです。
・化学物質
がんはタバコと同じように発がん性物質を含む化学物質を体内に取り込んでしまうことでも発症します。
皮膚がんに関しては、ヒ素化合物、タール類、鉱物油などの化学物質がその原因になることが指摘されており、仕事などでこれらの化学物質を日常的に扱っている方などは特に注意が必要です。
・放射線
放射線による影響ががんとなって人体に現れることは広く知られています。
このことは皮膚がんに関しても同様であり、仕事上放射線を浴びることがある方は皮膚に生じるわずかな変化でも気にかける必要があります。
また、放射線を浴びる機会としては健康診断時のレントゲン撮影などが挙げられますが、この際の被爆量は極めて少なく余程頻繁に撮影をしない限り皮膚がんを発症させる直接の原因になることは極めて少ないと考えられます。
皮膚がんと間違えられがちなもの
皮膚がんに限らず、がんは早期発見をすることが完治を目指す上で非常に重要となります。
しかし、皮膚がんに関しては上述のとおり見た目だけで見分けをつけることが難しく、ある程度進行してから初めて異常に気付くというケースも少なくありません。
そのため、通常の皮膚治療でも症状が改善しない場合、皮膚がんを疑う必要があります。
続いては、皮膚がんと間違えられやすい肌に生じる変化について解説します。
・水虫
足の指を中心に皮がはがれたり赤く腫れたりする水虫は、重症化すると出血を伴うことがあり、それらの症状が現れるとすぐに皮膚科へ行くという方も多いことでしょう。
その一方で足の指の周辺で皮膚がんが発症し、その症状が現れると水虫と自己判断してしまい皮膚がんであることが判明したころには重症化してしまっているというケースも少なくありません。
このことから、足の指周辺の皮膚に異常が発生したらその部位だけで水虫と判断してしまうのではなく、皮膚がんの可能性もあるという認識をするのがよいでしょう。
また、水虫は病院で処方される軟膏などをしっかりと塗布すれば1~2週間程度で完治するため、それ以上の期間を経ても症状が改善されない場合もまた皮膚がんを疑い、再度病院で診察を受けるようにしましょう。
・ほくろ
上述のとおり皮膚がんの中でも悪性黒色腫は皮膚に黒いシミのようなものができるため、ほくろと自己判断してしまいがちです。
しかし、悪性黒色腫もまた放置しておくと重症化してしまうため、後述する見分け方を参考にし少しでも異常があればすぐに病院で診てもらうようにしましょう。
また、皮膚がんによって生じるほくろのような肌の異常は時間を経るに従い色や形が変化することが多く、以前はなかったほくろが見つかったら、しばらくの間はその見た目に変化が生じないか注意するのがよいでしょう。
・血豆
表皮の下で出血し、血が皮下にたまった状態になる血豆は非常に目立ちやすく、ほくろなどに比べると異常を察知しやすいといえます。
この血豆のような肌の色の変化もまた皮膚がんでは生じやすく、出血をするような衝撃が加わった覚えのない箇所に血豆のような変化が生じたら皮膚がんの初期症状であることを疑いすぐに病院で診てもらうようにしましょう。
・出来物
ニキビのような出来物は血豆やほくろなどに比べると頻繁に新しいものができるため、特に気にしないという方は多いかもしれません。
しかし、皮膚がんになるとこのような出来物が患部に生じることもあるため、大きさや形に違和感がある、または治りが遅いという場合には病院で診てもらうのがよいでしょう。
・シミ
加齢に伴いシミが増えてしまったという方は多いことでしょう。
そのため、多少大きめのシミや色の濃いシミができてしまっても気にしないという方は多いかもしれません。
しかし、シミのような肌に生じる変化もまた皮膚がんの症状として生じることがあるため、このような些細な変化にも気をつける必要があります。
皮膚がん(悪性黒色腫)とほくろの見分け方
皮膚がんの中でも特に悪性黒色腫とほくろは非常に見分けがつきづらく、早期発見するためにはその見分け方として「ABCDルール」を押さえておくのが有効です。
このABCDルールでは以下の順序で肌に生じた異変をチェックすることで、それが皮膚がん(悪性黒色腫)であるかほくろであるかをある程度判別することができます。
A:左右非対称(Asymmetry)
悪性黒色腫は無数のがん細胞によって構成されています。
このがん細胞はそれぞれで大きさや形、色が異なっているため、それがまとまった悪性黒色腫は左右対称ではないいびつな形となります。
これに対してほくろは大きさに若干の違いが生じることはあるものの、総じてきれいな左右対称となっています。
そのため、左右対称であるかどうかはほくろと悪性黒色腫を見分ける際の重要なポイントとなります。
ちなみに悪性黒色腫はがん細胞が増えることによって大きくなっていくことから、最初は左右対称のように見えても時間を経るに従って徐々に左右非対称になっていくこともあります。
そのため、少しでも形に不審な点が認められるほくろが見つかったら、毎日形に変化が生じていないか確認するのが早期発見をする上では有効です。
B:辺縁不明瞭(Borderless)
ほくろをよく見てみると、ほくろの黒い部分とほくろのない部分の境目である「辺縁」と呼ばれる部分がはっきりとしており、両方が合わさったような色の部分はないことが分かります。
しかし、悪性黒色腫の場合は左右非対称であるのと同じように、複数の大きさや形、色の異なるがん細胞によって構成されていることから、この辺縁の部分がはっきりとせず、ほくろとそうではない部分の色が混ざり合ったような箇所も認められることがあります。
このように辺縁が不明瞭であるということも悪性黒色腫とほくろを見分ける重要なポイントとなります。
C:色(Color)
人の肌の色は細胞が作り出すメラニンの量によって変化しますが、悪性黒色腫を構成するがん細胞ではそれぞれで生成するメラニンの量が異なります。
そのため、悪性黒色腫は全体的に黒色をしているものの、よく見てみると悪性黒色腫内でも薄い黒色の部分や濃い黒色の部分があることが分かります。
ほくろの場合このような色のムラが生じることはないため、この点もまたほくろと悪性黒色腫を見分ける大きなポイントとなります。
D:直径(Diameter)
ほくろの場合、ほくろによって大きさの違いはありますが、成長するように徐々に大きくなることはありません。
それに対して悪性黒色腫は、がん細胞が増えるごとにそのサイズもどんどん大きくなっていきます。
悪性黒色腫は一定期間を経るとほくろとは思えないほどの大きさになるため、この点もまたほくろと悪性黒色腫を見分けるポイントとなります。
ちなみにこの基準としては6~7mm程度が妥当とされており、最初は小さく、ほくろだと思っていたものがこの基準を超えた場合は悪性黒色腫を疑ったほうがよいでしょう。
まとめ
シミや水虫など皮膚がんと区別がつけにくい病状が多くあります。
特にほくろは突然できることもあるため、今まではなかった箇所にほくろができたからといって、すぐに皮膚がんのような病気だと判断する必要はありません。
しかし、初期の皮膚がんの症状の中にはほくろと見間違うほどよく似ているものもあることから、ここでご紹介したABCDルールなどを参考にし、色や形などに少しでも異常を感じたら皮膚科で診察を受けるようにしましょう。
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