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食事が原因で発症する【誤嚥性肺炎】とは

 2015/12/25 食事・運動
この記事は約 6 分で読めます。 3,116 Views

肺炎は日本人の死亡理由の上位に位置している病気です。その中でも高齢者の方の罹患率、及び死亡率は高い傾向にあります。特に嚥下力低下による誤嚥性肺炎には、注意が必要です。

誤嚥性肺炎とは

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肺炎とは細菌やウイルスと言った病原微生物が肺に侵入して、炎症を引き起こす病気です。そしてどのように原因である病原性微生物が肺に侵入するかによって、様々な種類の肺炎が存在しています。

誤嚥性肺炎は、文字通り誤嚥によって病原性微生物が肺へと侵入してしまうことで発生する肺炎です。食べ物や飲み物、また唾液などを飲みこむことを嚥下と言い、この機能が上手く働かなくなることを嚥下障害と言います。

嚥下は、自分の意識において行うこともできますし、自分の意識が及ばないところで勝手に行われるものでもあります。ですから嚥下障害は、たとえば病気やケガによって脳にダメージが及んだ場合や、加齢によって口腔や咽頭などの筋力が低下すること、あるいは脳の神経伝達物質の減少、脳血管の衰えなどによって発生します。

 

嚥下障害が発生すると…

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嚥下障害が発生すると、食べ物や唾液などが食道ではなく気管や気管支内に入ってしまいます。これが誤嚥と呼ばれる現象です。咀嚼された食べ物や唾液などには、無数の病原性微生物が付着しています。よってそれらが気管や気管支に入り込んでしまうと、そのまま肺へと流れ込んでしまい肺炎が引き起こされてしまうと言うのが、誤嚥性肺炎発症のメカニズムです。

また嘔吐した際に、胃液と食べ物が食道を逆流してしまって起こる場合もあります。高齢者が発症する肺炎の、実に7割以上はこの誤嚥が関係したものだと言われています。そのため、本人も知らない内に再発を繰り返していることも珍しくはありません。結果、耐性菌ができて抵抗性を持ってしまうことも多く、そうなると完治を目指すのが難しくなってしまいます。

 

誤嚥性肺炎の症状

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症状としては、発熱や咳、喀痰、皮膚や舌の乾燥などが基本的なものとして挙げられます。微熱が続くため何となく元気がない、倦怠感があると言った症状が出てくることもあります。食事中にやたらとむせるとか、いつも以上に食事に時間がかかると言うのも、あらわれる異変のひとつです。

また食事の飲みこみだけではなく唾液の飲みこみも困難になる、喉が常にゴロゴロと鳴っていると言うのも症状のひとつですし、痰が汚いと言うのも特徴です。ただしこう言った症状は、特に高齢者においてはなかなか自覚されにくいのが注意点です。

たとえば発熱においては、高齢者は平時でも比較的、体温が低い傾向にあります。そのためそれが少し上昇したところで、さほど大きな異変だとは本人も、そして周囲の人もとらえないことも少なくありません。また皮膚の乾燥や倦怠感も、高齢者の人にとっては『いつものこと』で済まされてしまう場合もあります。ですから、発熱や倦怠感と言った基本的な症状に加えて、食事中の異変や喉の状態の異変などを見逃さないことが大切です。

 

恐ろしい呼吸不全

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そしてまた、肺に炎症が起きてしまっていることから、酸素低下が発生することもあります。これが発生してしまうと、重度の呼吸不全につながる可能性もあります。呼吸不全になると、更に脳機能にもダメージが及んでしまうこともあります。

これらの前触れとしては、胸痛や呼吸の際の苦しさなどがありますが、やはり高齢者はこれらの訴えがはっきりとしないことも少なくありません。そのため、やはり周囲の人の注意深い、日頃からの観察が求められます。

 

誤嚥性肺炎を防ぐ食事方法

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誤嚥性肺炎を予防するための食事法としては、誤嚥を防ぐことに重きを置くことが求められます。嚥下が難しいのであれば、少しでも嚥下しやすいような食材の調理法が必要です。固いものはできるだけ避け、その人が噛み潰せる程度の柔らかさを持った食材を使用する、あるいはそのように調理をすることが、調理する人には求められます。

また本人が食事に集中できるような環境作りに努めること、ゆっくりと、一口ずつ食事を口に入れ、よく噛むことを意識させるのも必要なことです。口腔内が乾燥していると嚥下しにくく、細菌の繁殖も起こりやすいですから、食事の前、そして最中にも適度な水分摂取をすることが求められます。

 

誤嚥を防ぐポイント

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また食事の際の体勢も、誤嚥を防ぐうえで重要なポイントです。自力で椅子に腰かけることが可能な人は、机といすの間に握りこぶしひとつ分程度の間を開けるようにして、少しだけ前にかがむような具合で座ると良いです。椅子の高さは、床に足をしっかりとつけられるものが望ましいです。

寝たきりの人などの場合は、ベッドの上半身のギャッジアップの角度を30度程度に保つと良いと言われています。勿論、その角度と本人の体格などに合わせて、下半身のギャッジも角度を付けることが必要です。

そして自力で食事を摂取するのが難しい人に対しては、『では、口に入れますので、しっかりと噛んでから飲み込んで下さい』と言った声かけを行うのも重要なことです。そして食事の後は、歯磨きや口腔内を水でゆすぐなどして、口腔内を清潔に保つことも忘れないで下さい。また食べ物や胃酸の逆流を防ぐためにも、食後最低でも2時間は横にならないことも大切です。

 

まとめ

誤嚥性肺炎は、自覚しないままに再発を繰り返す、そして初期症状が見抜きにくいと言う特徴があります。そのため、特に高齢者においては命の危険にも直結することも少なくない、厄介な病気です。

ただし誤嚥を防ぐことができれば、発症を起こさないことは十分に可能です。最近、何となく食事が飲み込みにくくなったと言う方は、嚥下機能が低下している可能性もありますから、食事に際しては誤嚥を起こさないための配慮が求められます。

 

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木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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