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卵巣がんがサイレントキラーと呼ばれる理由

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女性特有のがん「卵巣がん」は「サイレントキラー(沈黙の病気)」といわれ、自覚症状のないまま進行していく恐ろしいがんです。

年間8000人以上の女性が卵巣がんになり、約5000人もの人が卵巣がんで亡くなっているといわれます。

ここでは、卵巣がんについて症状や治療法、チェック方法など詳しくご紹介していきます。

卵巣がんになりやすい人

卵巣がんは卵巣にできるがんです。

当然のことながら女性にしかない病気です。

最近は40代から60代の女性の発症率が高いようですが、年齢に関係なく卵巣がんにかかる可能性があります。

しかし、卵巣に限らずがんになる可能性が高い人もいます。

まずは、食生活や生活サイクルが乱れている人はがんになる可能性が高いと言えます。

たとえば飲酒や喫煙などの習慣がある人です。

飲酒に関しては少しであれば体に良いとされますが、毎日たくさん飲んでいる人はがんなどのリスクが高くなります。

また一般的に、親族など身内に卵巣がんを発症している人がいる場合、がんになるリスクは高まると言われます。

もちろん親族に卵巣がんの方がいるからといって必ず発症するわけではありません。

また、妊娠や出産を経験していない人は、経験している人と比べると卵巣がんになるリスクが高まると言われています。

これは、妊娠している期間月経が止まることと関係しています。

月経は排卵が起こり、受精しないと血液として体外に排出されます。

そうして常に妊娠する準備をしていますが、妊娠期間中は排卵が止まります。

逆に、妊娠や出産を経験していない人は毎月排卵が起こりますが、そうなると毎月卵巣では細胞分裂が起こります。

排卵が止まる時期が長いほど、卵巣がんにかかるリスクは少なくなると言われています。

また、「子宮内膜症」を患っている人も卵巣がんになりやすいと言われています。

子宮内膜症は、月経の血液が逆流することによって腹腔内に子宮内膜と同じような組織を作ってしまいます。

そうすることで、子宮以外の場所でも毎月起こる月経と同じように血液を出します。

その際に卵管を通って卵巣にも血液が入り込んでしまうと、同じように子宮内膜を作ってしまうのですが、これががん化してしまう可能性があると言われます。

そのため、子宮内膜症の人はそうでない人と比較してリスクが高くなると言われています。

もちろん該当しているからといって必ず発症するということでもありません。

 

卵巣がんの症状

卵巣がんは、かなり進行した状態でないと自覚症状があらわれません。

気がついたときには病状が進行していたり、他の臓器に転移していることなどもあります。

そのような特徴から沈黙の病気、別名「サイレントキラー」とも呼ばれています。

また、「下腹部に痛み」を感じていても、多くの場合はすぐに良くなると考えて病院へ受診することはありません。

受診するほどの痛みになっているときには、すでに進行してかなり大きな腫瘍になっている可能性があります。

サイレントキラーと呼ばれる卵巣がんの早期発見には、できるだけ普段から婦人科検診を受けることが大切です。

卵巣がんには、転移しやすいものと転移しにくいものがあります。

転移しにくいものは、長い時間卵巣の中にあります。

長い時間をかけて腫瘍は大きくなり、異変に気がついたときにはとても大きくなっていることがあります。

腫瘍が大きくなると、下腹部に「しこり」があることが分かるほどになることもあります。

また、大きくなった卵巣がんは他の臓器を圧迫するため、常にお腹が張ったような状態になります。

そのため、少ない食事でもお腹いっぱいに感じたり、膀胱が圧迫されるためトイレが近くなるなどの症状も見られます。

その影響で、排尿障害になることもあります。

進行が進んでいる場合、卵巣から出血することもあります。

まれに激しい痛みを感じることもあります。

一方、転移しやすい卵巣がんは、ほとんどが他の臓器に転移してその臓器の不調から発見されます。

転移しやすい臓器は、肺や肝臓、骨などですが、卵巣がんが大きくなる前に、これら転移している他の臓器の方に自覚症状が現れるのです。

特に肝臓も卵巣がんと同様に自覚症状が出にくい臓器です。

腫瘍が大きくなって腹部の圧迫感や黄疸などの症状が現れます。

多くの場合は、「腹水」や「胸水」がたまる症状が見られるようです。

この腹水は、お腹の中で転移が進んでいる症状です。

腹水が見られる場合には、転移したがんが進行していると考えられます。

また、胸水は肺に転移している場合にも現れる症状です。

「腹水」や「胸水」いずれの場合も、進行するとウエストサイズが大きくなると言われます。

卵巣の腫瘍が大きくなるだけでなく、腹水がたまっているせいで大きくなっていることもあります。

また、食事が取れないことで体力の低下や全身の倦怠感などが起こることもあります。

そのほか、吐き気や高熱、むくみなどがんの症状が見られます。

 

卵巣がんのステージと生存率

がんの進行状態は「1」から「4」までの段階に分けられます。

そして治療を始めた段階によって、その後5年後までの生存率が変わるとされています。

「ステージ1」では卵巣以外にがんが転移していない状態ですが、この時点で治療を行えば、その後の5年生存率は約92パーセントと言われています。

また、片方の卵巣だけに腫瘍が認められた場合には、問題ない方の卵巣を残すこともできます。

将来妊娠を考えている人でも治療をすることで、妊娠できる可能性があります。

「ステージⅡ」は、両方の卵巣に腫瘍があり転移の可能性も考えられる状態で、早急な治療が必要になります。

卵巣がんは早期発見が難しいため、見つかったときにはすでにステージⅡであることも多く、早く切除をしないと他の臓器にまで転移してしまう可能性もあります。

ステージⅡの5年生存率は約72パーセントと言われます。

「ステージⅢ」になると手術を行い腫瘍のある組織を切除する必要がありますが、卵巣以外の臓器にも転移しており体の不調など自覚症状がはっきりと認められる状態と言えるでしょう。

この時点では自覚症状が出ていますので、多くの人が不調を訴え病院へ受診する段階です。

ステージⅢになると、5年生存率は約31パーセントになります。

ステージⅡと比較してもかなり生存率が低くなります。

また、乳がんなどの女性特有のがんと比べても低い数値で、腫瘍を取り除いた後も抗がん剤治療などを継続して行う必要があります。

「ステージⅣ」まで進行している場合は、卵巣から遠い肝臓や肺に転移していることが多く、手術を行い抗がん剤治療を行っても回復する可能性は低くなります。

この時点での5年生存率は約12パーセントと言われていますが、この数値は同じステージⅣの乳がんと比べても半分以下の生存率です。

卵巣がんは早期発見が難しいため、発見したときにはすでに他の臓器に転移している可能性が高くなります。

他の臓器に転移している場合には、その臓器の治療も含めて行います。

 

卵巣がんの治療法

卵巣がんの治療はステージによって異なります。

基本的には外科的手術で腫瘍を取り除くことが目的となります。

子宮や卵管には転移しやすいため、ステージⅠの場合でも卵巣だけでなく子宮や卵管も摘出することが多いようです。

卵巣の片方に腫瘍があり、今後妊娠を望む場合には摘出せずに残すこともあります。

それが可能かどうかは状態によって異なりますので、よく医師と相談をしましょう。

卵巣がんからの転移が多く見られるところに、胃から腸にかけて「大網」という大きな網状の脂肪組織があります。

この「大網」は取り除いても問題ない部分のため、大網に転移が見られなくても取り除くのが一般的です。

ステージⅢ、ステージⅣになると化学療法を行います。

もし手術ができる場合は、腫瘍を取り除いた後に行います。

また、腫瘍が大きく切除することが難しい場合には、抗がん剤治療で腫瘍をできるだけ小さくしてから取り除く手術が行われます。

しかし、抗がん剤の治療は副作用が強く、吐き気や抜け毛、貧血などの症状が起こることが多いでしょう。

ステージⅣは化学療法を中心に治療を行います。

卵巣がんは、他の臓器にできた腫瘍と比べると抗がん剤の効果が現れやすいと言われます。

手術でできる限り腫瘍を取り除き、その後に抗がん剤治療を継続することで卵巣がんの状態は改善される可能性が高まります。

また転移している場合、放射線治療を行うこともあります。

放射線治療は、腫瘍に直接放射線を当てることで腫瘍を小さくする目的で行われます。

体の外から当てる方法と、体内で直接当てる方法があります。

後で再発した場合も同様の治療を行います。

まずは手術によって腫瘍をできるだけ取り除き、その後化学療法で抗がん剤治療を行うのが通常の方法です。

また、病院によっては臨床試験中の最新医療での治療を行うこともあります。

これは、まだ効果が確立されたものではなく、今後の治療に役立てる目的もあります。

現在の医学では通常の治療で必ず完治させることができるわけではありません。

最新の医療での治療によって劇的に改善する可能性もあります。

しかし一方で、場合によってはまったく効果がないどころか悪い影響が出るという可能性もあります。

どのような治療法で進めるかというのは主治医としっかり相談しましょう。

 

自宅で卵巣がんチェック

卵巣がんは自覚症状がなく、早期発見が極めて難しいがんですが、自宅でのセルフチェックで異変に気付くことができる場合もあります。

その方法を知っていれば、早期発見につなげることができますので、ぜひ覚えておきましょう。

卵巣がん特有の初期症状として、まず、お腹の張りや膨満感がたびたび起こります。

それに加えて、ウエストサイズが大きくなることもあります。

これは卵巣の腫瘍が大きくなっている可能性があります。

また、腫瘍のサイズが大きくなることで「しこり」のようなものに触れるような感覚もあります。

卵巣がんの腫瘍はとても硬くなることが確認されています。

また、腹水がたまっている場合も、お腹周りのサイズが大きくなったように感じます。

「痛み」は骨盤や下腹部に出ることもあります。

しかし、激痛ではなく鈍い痛みであることから、生理痛や少しお腹の調子が悪いだけだと認識してしまうことがあります。

いつものことだと思って見逃さないように注意しましょう。

また、たくさん食事を取らなくても満腹感がある場合は、大きくなった卵巣がんが他の臓器を圧迫している可能性があります。

食事が進まなかったり、以前と比較して少量の食事でお腹がいっぱいに感じるようであれば、初期症状である可能性があります。

また、特にたくさん水分を摂取していなくてもトイレが近くなること・頻尿があります。

これは、卵巣がんが膀胱を圧迫しているために見られるものです。

トイレが近くなること・頻尿は、卵巣がんになっていない女性でも見られることはありますが、その頻度が月に12回以上ある場合は注意が必要です。

問題ない場合は、多くても月に2、3回程度と言われています。

これらの症状は自宅で気がつくことができますので、気になる症状があればすぐに専門の病院で受診しましょう。

ただ、卵巣がんは自宅でのセルフチェックでも見逃しやすい為、早期発見が遅れてしまいます。

できれば、定期的に婦人科検診を行いましょう。

特に将来妊娠を希望している人は早期発見をするためにも、定期的に婦人科検診を行うことが大切です。

最近は女性の社会進出が多くなり、出産年齢が遅くなっています。

また、出産をしないという選択をする人も増えています。

そのため、卵巣がんをはじめとする女性特有の病気にかかる人も多くなりました。

いずれにしても、早期発見をして早い段階から適切な治療を行うことが大切です。

普段忙しくて自分のことはおろそかになりがちですが、定期健診をするように習慣付けましょう。

 

まとめ

卵巣がんは「サイレントキラー(沈黙の病気)」といわれますが、お伝えしたように初期症状が全くないわけではありません。

ただ、下腹部に痛みやお腹の張りなど普段でもありえる症状なだけに、見過したり放置してしまいがちです。

癌の進行状態が初期のうちであれば治療も予後もよいので、気になる症状が数日続くなどいつもと違うと感じた場合は、病院へ行き相談することをお勧めします。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。


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