要注意!血糖値が正常値から外れたとき起こること
家族や親族に罹患した人が多い方や甘いものが好きな方などは特に気を付けなければならない糖尿病。
糖尿病の発症を防ぐために日ごろから血糖値を気にしていても、その具体的な原因や解決策が分からないという方は少なくないでしょう。
一般的に血糖値に生じる異常としては、その数値が正常値を上回る「高血糖」が挙げられます。
しかし、血糖値の異常には正常値を下回る「低血糖」もあり、高血糖と同様に注意しなければなりません。
今回は、このように血糖値が正常値から外れてしまった際に生じる異常について解説します。
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Contents
血糖値の基準値
一般的に血糖値は空腹時と食後2時間の2回のタイミングで計測するのがよいとされています。
これらのタイミングで計測された血糖値をそれぞれ「空腹時血糖値」と「食後2時間血糖値」と呼び、その基準値の目安は以下のようになっています。
〇空腹時血糖値
空腹時血糖値とは、基本的に最後に食事をしてから絶食し12時間以上が経過した状態で計測した血糖値のことを指します。
採血を伴う健康診断で前日の夜以降の食事が禁止されるのは正常な空腹時血糖値を計測するためです。
空腹時血糖値の基準値は「110mg/dL未満」となっており、この範囲内の血糖値は「正常型」と呼ばれます。
このうち「100〜109mg/dL」の範囲内にある血糖値は「正常高値」に分類され、正常の範囲内ではあるものの数値の推移には気を配る必要がある数値です。
また、基準値を上回った血糖値は「110mg/dL以上、126mg/dL未満」のものを「境界型」、「126mg/dL以上」のものを「糖尿病型」にそれぞれ分類することができ、前者は糖尿病予備軍、後者は既に糖尿病を患っていると判断することができます。
〇食後2時間血糖値
食後2時間の血糖値とは、厳密にいうと75gのブドウ糖を摂取してから2時間後の血糖値を指します。
そのため、含まれるブドウ糖の量がこの数値未満の食事だと、2時間経過してから血糖値を計測しても正しい数値が表れないことがあるのです。
食後2時間血糖値の基準値は「140mg/dL未満」となっており、この基準を満たすと同時に空腹時血糖値の基準値(110mg/dL未満)も満たしていれば「正常型」と判断することができます。
また、食後2時間血糖値が「200mg/dL以上」で、空腹時血糖値が「126mg/dL以上」だと「糖尿病型」、正常型と糖尿病型のどちらにも属さない血糖値を「境界型」です。
食後2時間血糖値に関してはその数値だけで糖尿病であるかどうかを判断することはできず、必ず空腹時血糖値の数値と併せてそれが正常なのか異常なのかを判断しなければなりません。
血糖値が高いときに起こること
血糖値の異常には、上述したとおり基準値を上回るものと下回るものがあります。
このうち血糖値が基準値を上回る異常では多少その数値が基準値を超えても大きな体調の異変が生じることはほぼありません。
体調に異変が生じるのは血糖値が300mg/dL以上になるケースであり、具体的な症状としては以下のものが挙げられます。
血糖値が300〜400mg/dLくらいになると起こる症状
・喉が渇く
血糖値がこのレベルにまで上昇すると、体は増えすぎた体内の糖分を体外に排出しようとし多くの水分を欲するようになります。
これにより生じる症状のひとつが「喉の渇き」であり、暑くもないのにすぐ喉が渇くようになるなどの異変が生じるようになったら血糖値の上昇を疑うようにしましょう。
・尿の量が増える
このような症状が生じるメカニズムは喉の渇きにも関係しており、「尿の量が多くなる→体が水分を欲し、喉が渇く」と考えると分かりやすいでしょう。
よって、寒くもないのに排尿の回数が増えるといった症状が出始めた場合にも注意が必要です。
・疲れやすくなる
すい臓から分泌され血糖値の上昇を抑えるインスリンの働きが低下すると生じることの多い症状が「疲れやすくなる」というものです。
この症状は突然現れることが多く、人によってはその症状が加齢によるものなどと決めつけてしまい、血糖値の上昇やインスリンの分泌異常を見逃してしまうケースもあります。
・集中力がなくなる
高血糖は心理面での異常をきたす場合もあります。
具体的な症状としては「集中力がなくなる」というものが挙げられ、仕事への意欲の低下などを実感するようになったら血糖値の上昇が関係していると疑う必要もあります。
また、血糖値が高くなることによって疲れがたまり、それが集中力の低下を引き起こすこともあるようです。
・できものが出やすくなる
チョコレートなどの甘いものを食べすぎた結果、ニキビといった「できもの」ができてしまったという経験をされたことのある方も多いでしょう。
高血糖の状態が続くことはチョコレートのような甘いものを食べすぎた状態が続くのと同じような状況であるため、血糖値の上昇によってできものが出やすくなることもあります。
・お腹がすく
インスリンには糖分をエネルギーに変えることで血糖値を下げるだけでなく、体全体へ必要なエネルギーを供給できるようにする働きもあります。
このインスリンの働きが低下すると体が必要としているエネルギーが供給されなくなってしまうため、エネルギーを要求するサインとして空腹感を生じさせるのです。
このことから、血糖値が高くなると「お腹がすく」という症状も現れやすくなります。
・痩せる
インスリンの働きが低下し、必要なエネルギーが供給されない状態で日々の活動を続けていると「徐々に痩せていく」という症状も現れます。
体重が減ると体力はさらに低下し他の症状も顕著になっていくため、ダイエットをしているわけでもないのに体重が減り始めたという方は注意が必要です。
500mg/dL以上になると起こる症状
・意識が遠のく
高血糖の状態が続くと循環器系に異変が生じ、「意識が遠のく」といった症状が現れることがあります。
糖尿病の合併症には心筋梗塞や脳卒中といった循環器系の異常が関係するものも多く、意識障害が出始めたらすぐに医療機関で診察を受けなければなりません。
・吐き気
このレベルにまで血糖値が上昇した状態で意識障害と同時に生じやすいのが「吐き気」です。
吐き気は血糖値が関係しないものも含めて心筋梗塞や脳卒中の初期症状として現れることもあり、風邪などの具体的な体の異変を実感していないにもかかわらず突然吐き気を催すようなことがあったらすぐに医療機関へ行くようにしましょう。
・嘔吐
高血糖の症状としては「嘔吐」も挙げられます。
この症状が現れるほど重症化していると意識障害を伴うこともあり、意識がもうろうとしている人が嘔吐してしまうと吐瀉物が呼吸器官につまり呼吸ができなくなってしまうこともあるため注意が必要です。
・昏睡状態に陥る
高血糖による以上のような症状が現れると最終的には昏睡状態に陥ることもあります。
この状態になるまで重症化してしまうと命にかかわることもあるため、すぐに適切な治療を受ける必要があるだけでなく日ごろからこのような状態になってしまわないよう食生活に気を付けるといった心がけも必要です。
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血糖値が低いときに起こること
血糖値の異常な上昇はさまざまな体の異変を引き起こし最悪の場合命にかかわることもあるため、日ごろから食生活などに注意しているという方は多いでしょう。
一方、血糖値の低下が以下のような症状を引き起こすことはあまり知られていませんが、血糖値の上昇と共に血糖値の低下にも注意しなければなりません。
血糖値が60~50mg/dL以下で起こる症状
体の異変を引き起こすほどの血糖値の低下の基準値となるのが「60~50mg/dL」です。
このレベルで生じる異変には以下のようなものがあります。
・だるさ
低血糖は食事の量が少ない、あるいは決まった時間に食事を取れないことで生じることが多く、その症状は空腹時の感覚に似ています。
例えば、空腹時に感じる「だるさ」は血糖値の低下が引き起こしているものであり、この症状は単なる空腹ではなく血中の糖分量が少なくなっていることによって生じているといい換えることもできるでしょう。
・冷や汗
血糖値が低下すると体の冷えを感じることもあります。
体温が低下すると同時に汗をかく「冷や汗」のような症状も血糖値が下がることで引き起こされる症状のひとつで、人によっては冷え性と似たような症状が現れることもあります。
・頭痛
低血糖の状態になると自律神経に異常が生じ、さまざまな症状を引き起こします。
「頭痛」もこのような自律神経の異常が引き起こす症状のひとつで、人によってはアルコールを飲んだ後に低血糖状態になり頭痛が生じることもあります。
また、朝起きたときに頭痛が生じやすい方は睡眠中に低血糖状態になる「夜間低血糖」の状態にある可能性もあります。
・吐き気
「吐き気」もまた低血糖が引き起こす症状のひとつです。
ただ、頭痛や冷や汗と共に吐き気の症状が現れると風邪などと自己診断してしまう方も多くいます。
誤った自己診断による重症化を防ぐためには自身の血糖が低めでありそれによって引き起こされる症状が風邪の症状に似ているということも知っておく必要があるでしょう。
・イライラする
血糖値の低下は精神面での異変も引き起こします。
これは血糖値が低くなると副腎が血糖値を上げるためにアドレナリンを分泌し始めるためといわれており、このアドレナリンの影響によりイライラするという症状が現れるケースもあるようです。
仕事や人間関係などでイライラすることが多くなったという実感がある方も低血糖を疑う必要があるでしょう。
・無気力になる
血糖値が低下すると無気力になるともいわれています。
なにをするにもやる気が起きない、仕事へのモチベーションを保てなくなったという実感があるという方もまたそれらの症状が低血糖によるものだと考えてみると症状の改善が図れるかもしれません。
・痙攣
低血糖にもいくつかのレベルがあり、上述した症状はごく低いレベルでも生じます。
しかし、さらに悪化すると最悪の場合は痙攣のような症状が現れることもあり、初期の段階で適切な治療を行いそれ以上血糖値を低下させないための応急処置方法を知っておくことが重要です。
・昏睡状態
低血糖は昏睡状態になるまで重症化してしまうケースもないわけではありません。
低血糖は高血糖に比べると深刻視されないことも多く、このような最悪の症状についても知っておく必要はあるでしょう。
血糖値が上がりすぎる・下がりすぎる原因
血糖値が上がりすぎる・下がりすぎる原因としては以下のことが考えられます。
上がりすぎる原因
・一気に食べすぎる
短時間で食事を済ませようとすると、糖分が短時間で大量に体内へ取り込まれてしまい、インスリンによる処理が追い付かなくなってしまいます。
このようなことが頻繁に起こると糖尿病を引き起こすこともあるため、ゆっくりと食事を摂るよう習慣づけるとよいでしょう。
・運動不足
運動をすると糖分から生成されたエネルギーは効率的に消費されていきます。
これにより糖分をエネルギーに変える活動を促すこともできるため、血糖値の上昇を防げるようになるのです。
逆に運動不足の状態が続くとエネルギーが消費されず、血糖値も高くなります。
・炭水化物や糖分の多い飲み物の食べすぎ・飲みすぎ
炭水化物や糖分が多いものを摂りすぎるとインスリンを分泌するすい臓の機能が低下してしまいます。
これにより体内のインスリンが不足してしまうことでも血糖値は上がるため、お菓子や甘いものの食べすぎ・飲みすぎには注意が必要です。
下がりすぎる原因
・食事が少ない
食事量が少なすぎると十分な量の栄養やカロリーを摂取できません。
これにより血糖値も低下してしまうため、低血糖を防ぐためにはこれらにも注意しながら食事をする心がけが必要です。
・運動しすぎる
運動をすると糖分から作られたエネルギーが消費されますが、運動をしすぎてしまうとエネルギーが不足し、結果的にそのもととなる糖分も不足してしまう場合もあります。
激しい運動をしたあとに疲労感やだるさを感じるのはこのためです。
・炭水化物や糖分の多い飲み物の食べすぎ・飲みすぎ
炭水化物や糖分が多いものを摂りすぎるとすい臓の機能に異変が生じ、インスリンの分泌量が過剰になってしまうこともあります。
これにより糖分をエネルギーに変える働きが過剰になることでも低血糖は引き起こされるのです。
まとめ
「血糖値が正常値から外れる」というと高血糖をイメージされる方のほうが多いでしょう。
実際、予備軍も含めた糖尿病罹患者の多さやその症状の現れる範囲が300~500mg/dLと非常に広いことを考えれば、高血糖は特に気を付けなければならないといえます。
しかし、症状の現れる範囲が60~50mg/dLと狭い低血糖であっても、重症化すると痙攣や昏睡といった重い症状が現れることから決して軽視すべきではなく、血糖値の検査結果などを見る際には高血糖はもちろん低血糖にも注意を払う必要があるでしょう。
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