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高血圧治療薬の気になる副作用について

 2015/12/18 生活習慣病
この記事は約 5 分で読めます。 2,605 Views

平成20年の調査によると、我が国の高血圧患者数は7900万人です。成人の3人に1人の割合です。

そんな高血圧の治療に使われている降圧剤について解説していきます。

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高血圧治療薬の5つの種類

高血圧の90%は、本態性高血圧です。現在、本態性高血圧の治療には、次の5種類が第一選択薬となっています。

1つ目 ARB

1つ目はARBと言われるもので、アンジオテンシンⅡ受容体阻害剤です。商品名だとロサルタンやバルサルタンです。腎臓や脳循環を保護する作用、動脈硬化を予防する作用もあり、高齢者にもよく使われます。

2つ目 ACE

2つ目はACEで、アンジオテンシン変換酵素阻害剤です。腎臓やが肝障害のある人には使えません。

3つ目 利尿剤

3つ目は利尿剤です。サイアザイド系とループス系がよく使われます。ループス利尿剤は、腎不全や心不全の治療にもよく使われています。

4つ目 β遮断剤

4つ目はβ遮断剤です。若年者の高血圧や狭心症でよく使います。

5つ目 カルシウム拮抗剤

5つ目は、カルシウム拮抗剤です。現在日本で最もよく使われている、古くからある降圧剤です。アムロジン、アダラート、カルブロックなどの商品名になっています。

カルシウム拮抗剤は、グレープフルーツとの飲み合わせで作用を増強します。本剤服用中はグレープフルーツジュースを飲んだりグレープフルーツを食べるのは止めた方が無難です。

近年は2種類を1つにした合剤もあります。その他にα遮断剤やαβ遮断剤などもありますが、第一選択とはなっていないので、ここでは割愛します。

降圧剤はすぐには効果が発現しません。また、1種類で目標の血圧値となることは少なく、2~3種類を併用することが多いです。

それは、同じものの量を増やすよりも違う種類のものを用いる方が、副作用を回避できるからです。増えるのは嫌かもしれませんが、あなたの体を守るために種類が増えているということを理解してください。

 

飲み忘れたら?

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飲み忘れに気づいたらその時点で飲みましょう。1日1回朝に飲む必要があるのに、昼前に飲んでいないことに気づいたら、気づいた時点ですぐに飲んで下さい。

だたし、次の服用までに4~5時間は空けるようにしてください。加えて、まとめて2回分を1度に飲むことは絶対にしないでください。血圧が下がり過ぎて危険ですし、副作用が強く出ることもあります。

次の服用まで時間が空いていない時は、1回飛ばしてください。昨日の朝の服用を忘れているということに翌朝に気づいた時は、1回飛ばしても大丈夫です。

その日の分をその日のうちに飲む、ということが基本です。2日分を1日で飲んだり、2回分を1回で飲むようなことは決してしないでください。また、自己判断で勝手に服用を止めたり減量したりするのはとても危険なことですので、絶対にやめてください。

 

薬は飲まない方がいいの?

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巷には、高血圧の薬は飲まない方が良いといった類のことが書かれた本も書店にたくさん並んでいます。しかし、その本を書いた人は、あなたの身長も体重も血圧値も知らない人です。

あなたの血圧が、どのような時に上がってどのような時に下がりやすいのか、あなたがどのような生活を送っているのか、何も知らない人たちです。決してあなたのことをよく知らない人の言うことに、惑わされてはいけません。

あなたの体のことを一番よく知っている主治医の先生、かかりつけ医の先生の指示を守って下さい。もしも、家族が「そんなものは飲まないほうが良い」と言った場合には、そのご家族の方に診察に同行してもらうとよいでしょう。

 

気になる症状は医師に相談

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どのような薬にも副作用はあります。医師はメリットとデメリットを天秤にかけて、効果が上回ると判断した場合に処方します。また、デメリットがあったとしても対処できると判断すれば、多少のリスクを承知の上で処方することもあります。

高血圧の治療に用いるものは、歴史の長いものが多いので、医師は副作用に関しては十分に知っています。たとえ嫌な症状が出たとしても想定内ですので対処できます。その点は安心して大丈夫でしょう。

また、説明書には副作用のことがいろいろと書いてあったとしても、すべての人に出るわけではありません。

前述しているように、カルシウム拮抗剤を服用すると頭痛やほてりが出ることがありますが、出現率は10%ほどです。10%という数字はかなり多いほうに入ります。しかし、90%の人はそのような嫌な症状は出ていないということです。

ずらずらと色々な症状が書いてあると、怖くなってくることもあるかもしれませんが、ほんの0.05%程の出現率の物もすべて記載されていますので、いたずらに怖がる必要はないでしょう。

 

もし症状が現れたら…

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もしも気になる症状が現れた場合は、決して自己判断で中断したり減量したりしないで、必ず主治医やかかりつけ医に連絡してください。降圧剤が怖いのではなく、正しく使わないことが一番怖いことなのです。

また、降圧剤を飲んでいたら減塩は必要ないと言うわけではありません。減塩や運動などの日常生活の見直しは、必要です。薬はあなたの努力を少しお手伝いするもので、基本は日常生活の改善です。

 

まとめ

高血圧の治療で降圧剤を使うことはよくあることです。薬はメリットがデメリットを上回るときに使われます。

高血圧治療剤は歴史が長いので、医師は副作用に関しては十分に承知しています。たとえ嫌な症状が出たとしても、想定内で対処は可能ですので、いたずらに怖がらずに、指示通りに服用することが大切です。

一番怖いのは、勝手な中止や減量です。服用中に気になる症状が出たときは、必ず医師に相談して下さい。

 

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