不快な胸焼けの原因と胃酸の逆流を防ぐ3つのポイント
「むねやけ」は、もっともよくみられる逆流性食道炎の代表的な症状です。しかし、そのほかにも、いろいろな症状を感じることもありますから、当てはまる方はご注意ください。
ここでは、「むねやけ(逆流性食道炎)」についてその症状や原因に加え、予防方法まで詳しくみていきましょう。
「むねやけ(逆流性食道炎)」の症状とは
「むねやけ(逆流性食道炎)」の具体的な症状を見てみましょう。
・みぞおちの辺りから胸の下のほうへかけて、焼けつく、あるいは、熱くなるような不快感がある。のどのほうまで上がってくる感じがあり、痛みをともなう場合もある。
・口のなかまで酸っぱい液がこみあげる。
・食道への刺激が強いと、胸がしめつけられるような痛みを感じる。
・胃のなかの食物を消化したり、腸に送りだす動きが弱く、食べ物がいつまでも胃に残ってしまう。
・逆流した胃酸によりのどに炎症が起き痛みや違和感を感じる。
・声がかすれたりす ることもある。
・逆流した胃酸を気管に吸いこんで咳きこんだり、気管支が炎症を起こす。
・食道への刺激がときには耳の痛みとしても感じられる。
どうして胃酸が逆流して「むねやけ」が起きるのか
「むねやけ(逆流性食道炎)」は、食道へ胃酸が逆流することによって起こる食道の炎症です。 ここでは、「どうして胃酸が逆流して「むねやけ」が起きるのか」をより詳しく知っていただくため、消化管のしくみについて簡単にご説明しましょう。
口から食道を通って、胃、 十二指腸、小腸、大腸、肛門に至るまでの一本の長い管が消化管で、全長で約10mにもなるといわれています。食物は消化管を移動しながら、ここで分泌されるいろいろな消化液の作用で化学的に分解され、さらに消化・吸収されます。
「むねやけ」が起こりやすい人には、糖分の多い食事をとる、高齢である、肥満や妊娠・背中の曲がりなどでおなかが圧迫される、などの傾向があります。また、最近ではピロリ菌との関係もわかってきました。
日本人の食生活はますます欧米化が進み、糖分や脂肪分の摂取 が多くなっていますがこうした食事では胃が刺激されやすく胃酸の分泌も活発になります。 このほか、食べすぎや飲みすぎ香辛料、コーヒー、アルコールのとりすぎもよくありません。
背中が曲がり前かがみの姿勢でいるとおなかが圧迫されるために、腹部の圧 力(腹圧)が強くなります。こうした状態でも胃が押されるので、胃酸が逆流しやすくなります。
年齢とともに、食道出口が緩んで広がりやすくなり、下部食道括約筋の懐能低下も加わって食道の機能も衰え、胃酸が逆流しやすくなります。おなかの脂肪が増えると胃が押しあげられ、胃酸の逆流が起こりやすくなります。
さらに、食道出口から胃が押し出されて、食道裂孔ヘル ニアになることもあります。こうなると、食道の逆流防止機能もうまく働きません。
「むねやけ」を起こさないために
胃酸の逆流を防ぐには、食生活、姿勢、腹圧が大きな3つのポイントです。胃酸の逆流が起きやすい状況は、それぞれ個人によって違います。毎日の生活で自分にあった食生活や姿勢を工夫すると効果的です。
食事は一度に食べ過ぎず、ゆっくりと。急いで食べると空気も一緒に飲み込んでしまい、胃をふくらませるためにげっぷが出やすくなります。また、過食や飲み過ぎも腹圧を高め、胃酸の逆流の原因となります。
強い香辛料、たまねぎ、かぼちゃ、さつまいも、トマト、豆類、柑橘類、チョコレート、ケーキ、甘味和菓子、炭酸飲料、コーヒなどはむねやけを起こしやすい食品です。
お酒は噴門を緩めます。とくにビールやシャ ンパンは、胃のなかで炭酸ガスが多量に発生し、胃をふくらませます。
まとめ
このように「むねやけ(逆流性食道炎)」は、主に食生活・姿勢・腹圧が原因で起こります。
不快感だけではなく、場合によっては痛みを伴うこともありますので、十分に注意が必要です。
但し、食生活と姿勢と腹圧に気を付ければ予防が可能ですので、毎日の生活の中で気を付けてみてください。
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