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ステージ0、1の早期発見なら、癌でも完治の可能性が高い!

 2017/12/05 生活習慣病
この記事は約 11 分で読めます。 3,122 Views

癌と聞くと、どんなイメージをお持ちになるでしょうか。

不治の病、命が助からない病気という言葉は、過去のものです。

現在ではがん治療の研究も進み、早期発見し、治療できれば癌は完治できるケースが増えています。

日本人の2人に1人は癌にかかり、3人に1人が癌で亡くなると言われる今、癌は決して人ごとはありません。

癌を怖がらず、癌から目を背けずに、しっかりと向き合って考えてみる時間が必要ではないでしょうか。

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ステージ0で見つかれば幸運

癌についての説明では、「ステージ」という言葉が良く使われます。

これは癌の進行具合や広がり方の状態を示しているもので、具体的には「癌の大きさ(広がりの程度)」「リンパ節への転移の有無」「他の臓器への転移の有無」の3つの項目を基準として診断されます。

「ステージ0」から「ステージⅣ」までに別れていて、ステージが進むほど癌が進行しているということです。

どこに出来ている癌なのか、今どのステージにあるのかということによって、その後の治療方針が決められます。

ステージ0は、癌の中でも最も初期の状態で、癌の種類によってはステージ0がないものもあります。

良く耳にする「上皮内新生物」というのは、このステージ0に当たります。

では、ステージ0というのは、どのような状態なのでしょうか。

大まかな説明にはなりますが、癌細胞が上皮細胞内、つまり体や臓器の表面や粘膜の内側に留まっていて、それ以外の場所にはまだ広がっていない状態です。

一番外側の表面部分に癌が出来ていると想像すると、イメージしやすいでしょう。

この段階ではまだ筋肉層にも入り込んでいないので、ほとんどの場合ががん細胞を切除することで、完治が可能になります。

またがん細胞が表皮にあり、小さいので、手術自体も内視鏡や腹腔鏡を使い、メスを入れずにできる場合が多く、入院日数も少なくてすみます。

ステージ0の段階で完全に病巣を除去できれば、転移の可能性もほぼ無くなります。

例えば大腸がんのステージ0は表在型とも言われ、6層構造の大腸のうちの一番上にある粘膜の部分にがん細胞が出来ている状態です。

がんの大きさもまだ比較的小さく、他の臓器へ転移する心配もほとんどないので、基本的には病巣部の切除で完治できる可能性が非常に高いと言えます。

また乳がんでは、ステージ0ではがん細胞が乳管内にとどまっていて、他の部分には広がっていないので、この段階であれほぼ100%に近い確率で完治が期待できるとされています。

治療方法は乳房の部分切除でがん細胞を取り除く方法か、がんの状態によっては乳房の全摘となる場合もあります。

癌と診断され治療を開始して、5年後に生存している人の割合をあらわす「5年生存率」は、それぞれ乳がんでは96.8%、大腸がんでは95%です。

癌は早期発見、早期治療が大切と言われますが、このステージで発見できれば本当に幸運です。

ただ残念なことにステージ0では自覚症状が現れないため、早期発見が難しいです。

定期検診や人間ドッグなどで発見される人がほとんどというのが実情なので、がんは検診が重要ということを、実感する人も多いのではないでしょうか。

最近では、癌は治る病気になったと言われています。

もし癌と診断されてもやみくもに怖がる必要はありません。

 

ステージ1の危険度は部位による

ステージⅠになると、癌の腫瘍は上皮から少しずつ奥へと進み、筋肉層へと入り込んでいます。

しかしまだ筋肉層にとどまっている状態なので、リンパ節への転移はありません。

他の場所への転移の心配も極めて少なく、多くの場合で手術による腫瘍の切除で完治する可能性が高い段階です。

癌のできた部位によっては、5年生存率が90%を超えるものもあり、早期の的確な治療で治る確率が非常に高いのがステージⅠです。

女性の12人に1人がかかると言われる乳がんでは、ステージⅠで治療を開始した場合の5年生存率は95.7%です。

この時期に見つけることができ、適切な治療を行えば、ほとんどの人が完治すると言って良いでしょう。

また子宮頸がんや大腸がんでも90%前後の5年生存率となっており、胃がんでは87.8%、前立腺がんでも85.6%という数字を見ると、初期の段階でみつかれば、ほとんどの癌は治ってしまうという印象を受けます。

ただし早い段階で見つかったからといって、必ずしも完治すると安心してばかりはいられないのが、癌の怖さでもあります。

ステージⅠの癌は、腫瘍ができた場所によって、治癒の可能性が大きく変わります。

肺がんや気管にできたがんでは、5年生存率が70%前後まで落ち、食道がんでは67.4%、肝臓がんにいたっては49.8%と5割を下回る数字となります。

肝臓がんの治療はとても難しく、5年生存率の数字の中には引き続き治療中の人も含まれているため、完治できるかどうかはこの初期段階であっても、何とも言えないというのが実情です。

肝臓がんでも病巣の切除手術に成功できれば、5年生存率は70%にまで上がります。

ただし、肝炎ウィルスによる肝硬変から癌へと移行したケースでは、再発率も非常に高いということです。

このように、ステージⅠで早期発見できたとしても、治療の難しい癌というものも存在します。

いかに早い段階で、癌へと変異した細胞を見つけられるかによって、その後の治療の可能性も大きく変わってきます。

しかしステージⅠでもまだ、ほとんど自覚症状がないことが多く、自分で気づくのは難しいので、定期的な検診が鍵を握るというのは間違いありません。

治療の基本はやはり、ステージ0と同じように外科的手術で病巣を完全に切除することです。

がんのタイプによっては、内視鏡手術で行われる場合もありますが、がんが奥の方へと深く広がっている場合には、病巣部を開いて周辺と転移の可能性があるリンパ節を取ることもあります。

ステージⅠの癌だと診断されたら、慌てずに現状の把握と治療法の選択を行い、自分にとってベストと思える治療を受けられるよう、日頃から情報の収集を心がけたり、不安な場合はセカンドオピニオンを求めたりするなどの方法も視野に入れて、できるだけ冷静に判断できるようにしたいものです。

 

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適切な治療で癌を退治!

癌の治療というと、一般的には手術をしたり抗がん剤を投与したりするイメージが広く知られていると思います。

映画やテレビ番組などの影響で、怖いイメージを持つ人もいるかもしれません。

では実際に癌になった場合には、どんな治療法があるのか、ご存じでしょうか。

まず癌には「3大治療」と呼ばれる標準治療があります。

標準治療とは、現段階で受けることのできる最良の治療として、科学的な根拠に基づいて証明され、推奨されている治療のことです。

癌の標準治療は「手術」・「化学療法」・「放射線治療」の3つです。

ですから、癌と診断されたあとは、医師からはこれらの3つの治療を薦められます。

どの治療を行うかは、癌の出来た部位や癌の種類、ステージなどを考え、さらには患者さんの体の状態や生活環境、個々の事情なども考慮した上で決定して行きます。

単独の方法で行う場合もありますし、違う治療法を並行して行う選択もあります。

ステージ0の段階では、基本的には手術でがん細胞を切り取るという治療法が選ばれます。

完全に切り取ってしまえれば、その後に転移する可能性は極めて少なくなります。

ただし再発の可能性が全くなくなるわけではありません。

ステージⅠでも手術による切除で完治するケースがほとんどです。

病巣の状態によっては、その後予防的な意味も含めて化学療法がすすめられることもあります。

化学療法は抗がん剤を投与する治療で、がん細胞の増殖を抑えつつがん細胞を破壊します。

抗がん剤の効果が血液に乗って全身に行き渡るので、手術で取り切れないようなごくごく小さながん細胞にも効果があります。

現在では約100種類にも及ぶ抗がん剤があり、注射や点滴だけでなく経口タイプのものもありますので、通院による外来治療を行うこともできます。

抗がん剤には誰もが良く知る副作用があり、吐き気や脱毛、倦怠感などの辛い症状を避けることは出来ないのが悩ましい点です。

また肝臓や腎臓、造血器官などに障害がでることもあります。

ただ、副作用を和らげたり、出来るだけ出ないように抑えたりするなど、症状を軽くできる薬が開発されてきて、日常生活を送る上で支障がない程度になってきています。

最近ではがん細胞だけに作用する治療薬の開発も進んでいますので、近い将来にはもっとがん治療がラクになるかもしれません。

放射線治療は病巣部に放射線を照射して、がん細胞を死滅させる治療法です。

ステージ1の癌でも、癌の種類や状態によっては行われることがあります。

これら3大治療の他にも、免疫療法や食事療法、温熱療法など、代替医療と呼ばれるものの中にも公的保険を適用して受けられる治療があります。

癌の治療に関しては次々と新しい研究結果が報告され、臨床試験も活発に行われています。

これからの時代は、癌の治療法は自分で選択し、決定するようになると言われています。

どの治療法を選び、どうやって癌と戦っていくのかは、自分が決めなければならないということです。

ただし、先端医療が最も良い医療とは限りません。

現段階で化学的に最良の治療であると認められているものは、標準治療しかありません。

医師の説明を良く聞き、自分なりに情報も集めた上で、もし医師の提示する治療法だけでは不安だと思えば、セカンドオピニオンを求めるという方法もあります。

癌は医療機関や家族などとしっかりとスクラムを組んで、長い期間をかけて戦っていかなければならない病気ですが、適切な時期に適切な治療を行えば、完全に退治できる病気でもあります。

そのためには、ある程度の時間をかけて、より効果が高く、より負担の少ない治療法を見つけていく必要があります。

焦らず、冷静な気持ちで、最善の方法を見つけていくことが大切です。

 

治ったあとも継続的な警戒は必要

ステージ0やⅠの段階の癌は、適切な治療を行えばほとんどが完治します。

ただ、がんが怖いのは病巣を全て取り除いたとしても、すべてのがん細胞が除去できたとは言い切れない点にあります。

ほんの小さながん細胞が、時間をかけてゆっくりと大きくなっていき、ある時に突然再発という事態になることもあります。

また癌になりやすい生活を続けていれば、一度は完全に治ったとしても、再び新しいがん細胞が生まれるかもしれません。

癌が治ったからと安心するのではなく、生活習慣や食習慣を変えたり、ストレスの少ない環境で生活できるよう工夫をしたりするなど、再発の防止に努めていくことが大切です。

がん細胞はどんな人の体にも生まれますが健康な人であれば体の持つ免疫細胞が、生まれたばかりの段階で退治してくれます。

ところが癌を攻撃できる免疫細胞は種類が限られていて、免疫力が低下していたり、生まれるがん細胞の数が多すぎたりすると、免疫細胞の対処が追いつかなくなってしまいます。

そうなると免疫細胞の攻撃を逃れたがん細胞がゆっくりと増殖を始め、年月をかけて腫瘍となって行くのです。

ですから癌の再発予防で最も大切なことは、体の免疫力を上げることです。

たとえ新しいがん細胞が生まれ続けたとしても、体が健康であれば腫瘍化する危険性は少なくなります。

癌を退治してくれる免疫細胞としては、「キラーT細胞」や「NK細胞」が有名です。

免疫力を上げるために大切なことは、栄養・睡眠・運動が適切な状態であることです。

適切な食事、適度な運動習慣と、質の良い十分な睡眠は、体と心の健康を保つためには欠かせないものです。

反対に肥満や内臓脂肪は癌のリスクを上げますので、注意して下さい。

 

まとめ

ステージ0やⅠという、ごく初期の段階で癌が治ったということは、二重の意味で幸運です。

まだ治る段階のうちに見つかったということ、そして癌になったことによって、自分の健康や生活について真剣に考え直す機会が与えられたということです。

癌は5年後、10年後に再発がなく、元気な状態でいられたときに初めて根治できたと言えるという考え方もあります。

癌の心配を持っている人も、今は全く心配を感じていない人も、この機会に一度癌について考えてみてはいかがでしょうか。

あらためて健康診断やがん検診の重要性に気づくきっかけになるかもしれません。

 

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木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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