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お風呂には血糖値を下げる効果がある!血糖コントロールに繋がる入浴方法

生活習慣病
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血糖値が高い状態が続くとさまざまな不調が生じ、場合によっては糖尿病を発症することもあります。

そのため血糖値が高めの方は日々の生活の中で血糖値コントロールを意識することが大切です。

血糖値をコントロールするための方法にはいろいろありますが、そのひとつとして挙げられるのが「入浴」があります。

今回は入浴によって血糖値をコントロールする方法、それを実践する際の注意点などについて解説します。

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 入浴するとインスリンの作用が促進されて血糖値が下がる

入浴による血糖値コントロールについて理解するために、まず血糖値や血糖値を下げる身体の働きについて知っておくことが必要です。

ここでは血糖値やインスリンに関する基本的なことについてご紹介しましょう。

●そもそも血糖値とは

人が口にする食品には糖質が含まれているものが多いです。

たとえば米や小麦粉製品に多く含まれる炭水化物には糖質が多く含まれており、炭水化物を食べると人の体内には多くの糖質が取り込まれます。

体内に取り込まれた糖質はブドウ糖として血中に取り込まれるため、血中に含まれるブドウ糖の濃度が上昇します。

血中に含まれるブドウ糖の濃度が血糖値です。

血糖値は食事や運動などによって上下を繰り返します。

通常の場合、血糖値は食事などによって一時的に上昇してもすぐに正常値に戻ります。

しかし、血糖値が高めの人は正常値に戻りにくくなっているため、それがさまざまな身体の不調を引き起こすのです。

●血糖値がコントロールされるメカニズム

血糖値が高い状態が続くとさまざまな不調が生じるため、人の身体には上昇した血糖値を下げる機能が備わっています。

このような血糖値コントロールは膵臓から分泌されるインスリンという物質によって行われているのです。

インスリンは人が健康的な生活を送るうえで不可欠なもので、血中に取り込まれたブドウ糖をエネルギーに変えて消費したり細胞に備蓄したりする働きをします。

そのため、インスリンの分泌が正常なら人の体内での血糖値コントロールも正常に行われるのです。

●血糖値コントロールではインスリンが鍵を握る

血糖値コントロールではインスリンが正常に分泌されていることがカギを握ります。

血糖値が高めの人はインスリンの分泌機能に異常があると言えるでしょう。

そのため、インスリン分泌を正常化するための習慣を日々の生活で守ることが非常に重要になるのです。

●入浴とインスリンの関係

インスリンの分泌を正常化するための生活習慣として推奨されるもののひとつとして「入浴」があります。

入浴にはインスリンの分泌や血糖値を下げる作用を促進する働きがあるため、入浴によって血糖値を下げることが可能です。

ただし、この方法によって血糖値を下げるためにはいくつかの点に注意し、正しい方法で入浴することが必須となります。

また、入浴をするタイミングによっては血糖値が下がりすぎて低血糖の状態になるおそれもあるため注意が必要です。

入浴によってインスリンの分泌やその作用を促進する際の注意点のはのちほど詳しく解説します。

実践する際には必ず確認するようにしてください。

 

血糖値と入浴の関係性

入浴して血糖値コントロールを実践するためには、まず入浴と血糖値の関係について詳しく知っておくことが大切です。

入浴と血糖値コントロールの間には、入浴をすることによって交感神経と副交感神経に及ぶ影響が大きく関係しています。

ここでは、交感神経と副交感神経という2つの神経に着目しながら入浴と血糖値の関係性を見ていきましょう。

●交感神経が刺激されると、肝臓のグリコーゲン分解&ブドウ糖の放出が促進される

交感神経は「血糖値上昇ホルモン」という物質の分泌をコントロールしています。

文字通り、血糖値を上昇させる働きがあるのが血糖値上昇ホルモンです。

たとえば低血糖の状態になってしまった際にはこの血糖値上昇ホルモンの分泌が活性化します。

入浴をすると交感神経が刺激され血糖値上昇ホルモンの分泌が促進されます。

また、入浴には肝臓のグリコーゲン分解とブドウ糖の放出を促進する働きもあるので、下がってしまった血糖値を正常値まで上げるという血糖コントロールが行われるのです。

●副交感神経が刺激されると、肝臓のグリコーゲン分解&ブドウ糖の放出が抑制される

副交感神経には血糖値を下げるインスリンの分泌をコントロールする役割があります。

入浴するとこの副交感神経も刺激され、その際に血糖値が高い状態だとインスリンの分泌が促進されるので血糖値も正常値に戻ります。

また、入浴によって副交感神経が刺激されると肝臓のグリコーゲン分解とブドウ糖の放出が抑制されるのです。

このことでも血糖値は下がるため、入浴には高くなってしまった血糖値を正常値に戻す効果が期待できます。

入浴によって血糖値を下げるためにはお湯の温度にも気をつけなければなりません。

40℃前後のお湯に浸かった場合は副交感神経に作用するので血糖値は下がりやすくなります。

しかし、42℃以上のお湯だと交感神経が刺激され、血糖値が高めの人の場合にとっては逆効果となってしまうので注意が必要です。

●血流が身体の表面に集まり胃腸の血流が減るため、入浴後は食欲が抑えられる

入浴と血糖値の関係は食欲にも関連します。

人が口にする食品には糖質が含まれているものも多く、食べる量が多ければそれだけ糖質の摂取量も多くなります。

そのため空腹の状態で食事をはじめた場合、食後には血糖値が大幅に上昇してしまいます。

食欲には胃腸の周辺の血流が大きく関係しており、この血流が促進されている状態だと食欲も自然と増進するのです。

しかし、入浴をすると体の表面に血流が集まるため、胃腸の周辺の血流が減って食欲を抑えることができます。

これにより、入浴後は適量の食事で満腹感を得られるため、急激な血糖値の上昇を抑えることが可能になるのです。

 

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糖尿病になりかけている人・血糖値が気になる人の入浴方法

糖尿病になりかけている人や血糖値が気になる人は入浴によって血糖コントロールをすることをおすすめします。

しかし、そのためには効果を得られる方法で実践することが重要です。

続いては糖尿病になりかけの人や血糖値が気になっている人におすすめの入浴方法、入浴によって得られるメリットをご紹介しましょう。

入浴方法

糖尿病になりかけの人や血糖値が高めの人が入浴で血糖値コントロールをする場合、以下の方法に注意することが必要です。

・かけ湯をして身体を慣らしてから入浴する

身体が熱いお湯に慣れていない状態でいきなり湯船に浸かると急激に血圧が上がってしまいます。

急激に血圧が上がることで心筋梗塞などの発作を起こしてしまう可能性もあるので注意が必要です。

糖尿病になりかけの人や血糖値が高めの人は循環器系の疾患が生じていることも多いため、より注意しなければなりません。

このような発作が生じてしまうことを防ぐためには、最初にかけ湯をし身体を慣らしてから入浴するのが良いでしょう。

・水分補給をする

糖尿病になりかけの人や血糖値が高めの人は血液中に多くのブドウ糖が含まれている状態が常態化しています。

そのため、常に身体が水分を欲していることも珍しくありません。

この状態で熱いお湯に長時間浸かっていると脱水状態になってしまうこともあるため注意が必要です。

入浴中の脱水を防ぐためには入浴中もこまめに水分補給をするよう心がけましょう。

入浴によるメリット

糖尿病になりかけの人や血糖値が高めの人が入浴によって血糖値コントロールをする場合、以下のようなメリットが期待できます。

・食前30分前の入浴で血糖値スパイクのリスクを回避できるとも考えられる

空腹時の血糖値は正常であるにもかかわらず、食事をすると血糖値が急激に上がってしまうという症例も珍しくありません。

このように、食事をしたあとに急速に血糖値が上昇する症状が「血糖値スパイク」です。

血糖値スパイクが生じる原因としては、インスリンの分泌に関する異常やインスリンの効果が生じるまでにかかる時間が長くなってしまう異常などが指摘されています。

そして、これらの異常は糖尿病になりかけの人や血糖値が高めの人の体内で生じているケースも珍しくありません。

このような異常が見られる人が食前30分前に入浴をすると、血糖スパイクのリスクを回避できると言われています。

この点は、入浴によって得られる大きなメリットと言えるでしょう。

・ストレスの発散ができる

糖尿病になりかけの人や血糖値が高めの人は生活面で食事や運動などに関するさまざまな制限をかけられるので、ストレスもたまりやすくなってしまうでしょう。

入浴にはこのようなストレスを発散する効果も期待できます。

毎日の入浴を楽しみにしながら、症状を緩和するための取り組みを継続して実践するというのも良いでしょう。

 

糖尿病患者の入浴は注意が必要

糖尿病患者の場合、何らかの合併症が生じていることが考えられます。

そのため入浴時にはそのことも考慮しなければなりません。

続いては、糖尿病患者が入浴によって血糖値コントロールをする場合に注意すべき点をみていきましょう。

●糖尿病患者は脱水に注意

糖尿病患者は血中に多くのブドウ糖があり身体はそれらを尿と共に体外へ排出しようとします。

この働きにより糖尿病患者は脱水状態になりやすくなっており、人によっては喉がすぐに乾くといった症状が出るのです。

このような症状が出ているときに入浴すると脱水状態になってしまう危険性があるため注意しなければなりません。

入浴中の脱水を防ぐためにはこまめな水分補給を心がけるのが良いでしょう。

●薬を服用している場合、効果が強くなりすぎることも

糖尿病を患っている方は病院で処方された薬を服用していることもあるでしょう。

その場合、入浴によって血糖値コントロールをしようとすると服用している薬の効果が強くなりすぎてしまうことがあるため注意が必要です。

たとえば血糖値を下げる薬を服用している方の場合、入浴をすることによって血糖値をコントロールしようとすると薬の効果が強くなりすぎてしまい低血糖の状態になってしまう可能性があります。

低血糖の状態になってしまうと意識障害が生じて転倒事故などを引き起こしてしまう危険があるので危険です。

そのため医師の指示通りのタイミングで薬を服用することが徹底しましょう。

●血圧を上げる熱いお風呂には心筋梗塞や脳梗塞のリスクも伴う

糖尿病患者の血管内では動脈硬化が進んでいることも多くあります。

動脈硬化が進んだ血管内では血栓が詰まりやすく、些細なことがきっかけで心筋梗塞や脳梗塞の発作を引き起こしてしまうケースもあるため注意しなければなりません。

心筋梗塞や脳梗塞の発作は血圧が急激に上がった際に生じやすく、入浴によって血糖値コントロールをしようとする場合そのリスクも考慮する必要があります。

また心筋梗塞や脳梗塞のリスクは交感神経を刺激することでも増大するため、この点においても入浴時には注意が必要です。

このことから入浴によって血糖値をコントロールする場合、お湯の温度の基準などを守り血圧の急激な上昇や交感神経を刺激しすぎてしまうことを避けるようにしましょう。

●入浴後は保湿ケアを忘れずに

糖尿病による合併症は皮膚に生じることもあります。

糖尿病患者の皮膚は免疫力が低下していることも珍しくなく、皮膚感染を起こしやすい状態になっていることも多いです。

入浴後は皮膚の免疫力がとくに下がりやすく、皮膚感染を防ぐためにも入浴後は保湿ケアを忘れないようにしましょう。

 

まとめ

入浴には交感神経や副交感神経に働きかけることで血糖値をコントロールできるというメリットがあります。

血糖値が高めの人などは入浴による血糖値コントロールを実践してみるとよいでしょう。

一方で、高血糖を原因とする不調がすでに生じている人やその治療のために薬を服用している場合、入浴による血糖コントロールが逆効果となってしまう危険性もあります。

入浴によって血糖値をコントロールする場合には水分補給や入浴のタイミングなど、ここでご紹介した注意点を守ることも忘れないようにしましょう。

 

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ライター紹介 ライター一覧

木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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