高血圧と診断されたときの食事内容・食習慣の見直し方
自分がもし高血圧だと指摘されたら戸惑ってしまう人もいるでしょう。
高血圧は明確な自覚症状があるわけではないことも要因として挙げられます。
高血圧になる原因には遺伝もありますが実は生活習慣によるものがほとんどです。
生活習慣を見直すことで高血圧は予防、改善することが可能になります。
ここでは高血圧と診断された時の生活習慣の見直しのポイントについて解説します。
また、食生活に関する内容も合わせてご紹介します。
自分が高血圧になりやすい生活習慣になっていないかチェックしてみてはいかがでしょうか。
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食事内容の見直し方
高血圧と診断された場合にまず意識するのは減塩ではないでしょうか。
塩分の摂り過ぎが血圧上昇を招くということは広く知られていることです。
最近では減塩タイプの加工食品もよく見かけますが、それでも高血圧の人は増加の一途をたどっています。
このことから高血圧に減塩だけでは効果がないのでは?ということまでささやかれているのです。
では高血圧と診断された場合、具体的にどのように食事内容の見直しを図っていけば良いのでしょうか。
結論は「糖質制限」です。
高血圧は糖質と深い関係があります。
糖質を過剰に摂取すると高血圧になります。
その理由は以下の2つです。
・摂り過ぎた糖によって増加した内臓脂肪が腎臓の働きを低下させることで余分な塩分が排出されにくくなるから
・過剰な糖質で高インスリン状態が続くから
腎臓では塩分と水分量の調節を行っていますが、過剰な糖質摂取により増えた内臓脂肪が腎臓の働きを低下させてしまいます。
その結果、余分な塩分は血液に残るため濃度を一定に保とうと水分が多くなることで血液量が増え血圧が上がってしまうのです。
また、過剰な糖質の摂取によって血糖値が上昇すると血糖値を下げるためにインスリンが多く分泌されます。
インスリンには興奮作用がありますが、交感神経系が優位な状態で心臓の働きが活性化するため脈拍や血圧が上がってしまうのです。
これらを踏まえると高血圧の対策として糖質制限が有効である理由が明確なことがわかります。
<食習慣の見直し方>
正しい糖質制限では食事の量を減らさず、三食しっかり食べることが大切です。
食事の量を減らしたり断食をしたりすると体調不良になる可能性もあり長続きしません。
普段食事が不規則な人は三食しっかりと規則正しく摂ることからはじめましょう。
糖質を制限するために糖質の多い食材を把握しておくことも必要です。
まず炭水化物ですが、ご飯や麺、パンなどには糖質が多く含まれています。
そのため、糖質がほとんど含まれない一方で健康に不可欠な栄養が豊富に含まれている肉や魚、卵などをしっかり摂取するようにしましょう。
その中でも鶏肉は良質なタンパク質を摂取できるだけでなく腹持ちがよいので糖質制限中心のメニューにおすすめです。
また、乳製品では牛乳やチーズ、バターなどから取り入れましょう。
野菜はヘルシーな食材だと信じ込まれていますが、実は野菜にも糖質が多いものがあります。
代表的なのは芋類ですが、ニンジンやゴボウなどの根菜類にも糖質が多く含まれるため注意が必要です。
盲点なのが調味料に含まれる糖質です。
砂糖を避けても、めんつゆや焼き肉のたれ、ケチャップ、みりん、ソースなどにも含まれています。
これを機に一度、調味料の成分表示についても確認してみると良いでしょう。
高血圧の食生活、生活習慣のポイント
高血圧対策としての食生活を送る上で押さえておきたいポイントをご紹介します。
・食事は腹八分目を心掛ける
肥満な人は体重が正常な人と比較すると、約2~3倍の割合で高血圧を発症すると言われています。
そのため、よく噛む、ゆっくり食べるなどして食事は腹八分目程度に留め、食べ過ぎを防止することが大切です。
・アルコールの摂取量を減らす
アルコールの過剰摂取は高血圧を引き起こすと言われています。
ビ-ルなら中瓶 1本、日本酒なら 1合、25度の焼酎なら0.5合までと目安を決めましょう。
お酒を多く飲む習慣がある人は、どうやって減らせるかを考える必要があります。
・カリウムを摂取する
カリウムには体の余分なナトリウム排泄を促し、血圧を下げる効果があることがわかっています。
100gあたりの含有量が多いのは干しだらや鰹節、生ハムなどです。
他にも、鶏のささ身や胸肉などもカリウムが豊富に含まれています。
また、水に流れやすいカリウムは茹でたり焼いたりすると含有量の30%を失うため、生で食べられるものはそのまま食べ加熱時間を短くするなどして調理法についても工夫をするとよいでしょう。
<こんな食事の仕方は要注意>
もしかすると知らないうちに血圧が上がるような食生活を送っているかもしれません。
以下のような食生活をしている人は要注意です。
・インスタント食品の汁をすべて飲んでいる
・コンビニやスーパーの弁当の味に慣れている
・余った調味料も食べてしまう
・サラダにはたっぷりドレッシングをかける
<高血圧になる要因>
高血圧になる要因はいくつかありますが、ほとんどが生活習慣に関連したものです。
・肥満
肥満になるとインスリンが多く分泌されるようになります。
インスリンは腎臓に働きかけるのでナトリウムの再吸収が促されるからです。
また血液中のナトリウム濃度が上がり濃度の高い血液を薄めるため、血管内に水分が移動し血流量がアップします。
増えた血液を全身に回すためにより大きな圧力が必要となるため血圧が高くなるのです。
・飲酒
アルコールによる血管の収縮反応が高まり、交感神経の活動が活発化することによる心臓の拍動スピードの上昇、腎臓からのマグネシウムやカルシウムの喪失などが血圧上昇のメカニズムと考えられています。
・喫煙
たばこに含まれるニコチンは副腎髄質を刺激します。
すると副腎髄質からアドレナリンやノルアドレナリンが分泌され心臓の動きが活発になり、交感神経が刺激されて心拍数、血圧が上昇するのです。
喫煙の習慣がある人は高血圧にも注意しましょう。
・ストレス
人間は体にストレスが加わると心身のバランスをとろうとするため交感神経系や内分泌系などの働きが活発になります。
交感神経系の働きが高まって心拍数が増加し血圧が上昇するのです。
現代人は心身ともにストレスがかかりやすいと言われているので、ストレスをなくす軽減させることも高血圧の改善や予防に重要です。
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高血圧の基準値
高血圧の基準値は収縮期血圧、拡張期血圧それぞれに定められているのが特徴です。
心臓はポンプのように収縮と拡張を交互に繰り返していて、心臓が収縮すると大量の血液が全身に流れ血管に大きな圧力が加わることを収縮期血圧と言います。
その後、心臓が拡張して血液が全身に流れていくときの圧力を拡張期血圧と呼ぶのです。
血圧がいくら以上になると高血圧になるのか、この定義は日本高血圧学会の高血圧治療のガイドラインによって定められています。
高血圧の定義は収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上です。
この数値を目安として、自分の血圧がどの程度なのか参考にしてみましょう。
<高血圧になるメカニズム>
血圧が上昇するメカニズムは心拍出量の増加と末梢血管抵抗の増加が背景にあります。
・心拍出量の増加
心拍出量というのは文字通り心臓から送り出される血液の量のことを言い、末梢血管抵抗は血液の流れに逆らう力のことをいうのです。
心拍出量増加の仕組みですが、なんらかの理由で腎臓の機能が下がりナトリウムの再吸収が阻害され、血液中のナトリウム量が増加します。
すると血液の濃度を一定に保とうとして血中の水分量を多くすることで濃度を薄めようとするのです。
そうすることで血液量が増えるため心拍出量が増えていきます。
・末梢血管抵抗の増加
喫煙や肥満などで動脈硬化が進行すると、血管の幅が狭くなり血液が流れにくくなってしまいます。
それにより末梢血管抵抗が増えることになるのです。
心拍出量の増加と末梢血管抵抗の増加の双方に影響するのが交感神経の活性化です。
例えばなんらかのストレスによって交感神経が活性化されてしまうと、交感神経末端や副腎と呼ばれる臓器からカテコールアミンという神経伝達物質が分泌されます。
このカテコールアミンが腎臓に働きかけると、腎臓から血圧を上げるホルモンが分泌されるようになるのです。
腎臓は血圧を調整する働きがあり、血圧が上がって腎臓に負担がかかると、腎機能が低下してナトリウムの再吸収が阻害され血液量が増加することによって血圧が上がるという悪循環が生まれてしまいます。
<高血圧はタバコも要注意 >
タバコに含まれる成分には血管を収縮させる作用があるため、末梢血管抵抗が増加し血圧が高くなります。
高血圧に対処するために禁煙することは重要と言えるでしょう。
高血圧が原因で起こる病気
高血圧は万病のもとといわれるようにさまざまな疾患の原因となります。
まずは高血圧によって引き起こされる代表的な疾患について整理しておきましょう。
・脳卒中
高血圧によって脳を流れる動脈がもろくなり、閉塞や破裂による脳卒中の原因になります。
脳出血やクモ膜下出血、脳梗塞など生命が助かったとしても後遺症が残ってしまうこともあるのです。
・心筋梗塞・狭心症
高血圧は心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患のリスクファクターでもあります。
心筋梗塞は冠動脈が詰まることで引き起こされる疾患です。
高血圧によって動脈硬化が進み、冠動脈の血管内腔が狭まっていると狭心症を引き起こします。
・慢性腎臓病
高血圧の状態は腎臓に負担をかけてしまうため腎機能が低下します。
腎臓は血圧を調整する機能も担っているため、腎機能が低下すると血圧コントロールが難しくなり、放置しておくと慢性腎臓病へ移行する可能性も出てくるのです。
このように高血圧は腎臓や心臓、脳など人間が生きる上で重要な臓器へ大きな影響を及ぼします。
高血圧はよほど血圧が高くなく明確な自覚症状が出なければ放置されやすい疾患です。
そのため自分の血圧について知ること、定期的な血圧測定や健診を受けることが大切です。
<見直したい高血圧の生活習慣>
高血圧を改善・予防するために見直したい生活習慣として運動不足が挙げられます。
公共交通機関などの移動手段の発達によって現代人は運動不足だと言われているのです。
高血圧には運動の中でも有酸素運動が効果的で、日常生活の中に積極的に取り入れたい方法と言えるでしょう。
代表的な有酸素運動にはウォーキングやジョギング、エアロビクス、水泳、サイクリングなどが挙げられます。
運動は継続していくことでより効果が高まりますが、仕事や家事、子育てなどで多忙な現代人にとってこれらの運動をする時間の確保は簡単なことではありません。
やる気があっても断念してしまったという結果になりかねないため、自分のライフスタイルに合わせた運動の仕方を考え実践することがポイントです。
ここでは仕事や家事、子育てなどの合間にできる有酸素運動の例をご紹介します。
・エレベーター、エスカレーターではなく階段を積極的に使う
・近所の買い物は徒歩や自転車を利用する
・掃除機ではなく手で拭き掃除をする
・時間に余裕があるときには一駅分長めに歩く
このように日々やることに追われていても少し意識するだけで運動ができる機会は意外にあります。
週末など時間があるときにジョギングやウォーキングなどを取り入れ、平日の多忙なときには「ながら運動」をして運動不足を解消するのがおすすめです。
高血圧の怖い事実
高血圧が怖いといわれる理由は自覚症状に乏しく見えないところで動脈硬化が進行し、体のさまざまなところで疾患が発生するリスクがあるという点です。
高血圧はこれといった明確な症状がなく自分では気がつかないため、じわじわと病状が進行していきます。
そのまま気づかずに放置してしまうと、突然脳卒中や心筋梗塞、狭心症など生命に関わる病気を発症するリスクがあるのです。
このほかにも心不全や大動脈解離、腎臓病などといった病気のリスクも高まります。
症状がないことが最も恐ろしく、「サイレントキラー」「静かなる殺し屋」と表現されることもあるため、これらの重大な疾患が起こる前に高血圧を発見し早めに対処することが重要です。
自覚症状から高血圧が判明するということは多くないので、日ごろから血圧チェックを習慣づけ、自分の血圧は普段どのくらいなのか、どんなときに上昇するのかを知っておきましょう。
高血圧の目安となる140/90mmHgに近い、あるいはこの数値を超えるような状態が続いた場合には病院を受診することなどが大切です。
また、高血圧になりやすい生活習慣を送っている人は特に意識して血圧チェックを行うことをおすすめします。
まとめ
高血圧は自覚症状に乏しいため見過ごしやすいですが、リスクファクターとして運動不足や肥満、喫煙や飲酒などがあり、生活習慣の見直しによって改善や予防につながることがあります。
食生活のほか日常生活に適度な有酸素運動を取り入れるなどして無理なく続けていけると良いでしょう。
また、日ごろから自分の血圧について把握し、血圧が高いことが続いた場合には受診できると早めに対策を講じることができます。
脳や心臓、腎臓など重大な疾患のリスクを軽減できることにもつながるため、血圧を意識した生活習慣を送っていくことが大切です。
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